大阪都構想はゾンビ政策-何度も死んだ大阪都構想
皆様ご存知でしょうか? 大阪都構想はすでに2度、死んでいます。2014年10月に大阪市議会で否決されて1度死に、そして2015年5月の住民投票で僅差で反対多数になり、2度死にました。
2014年に1度死んだ大阪都構想は、その年の12月の衆院選が濃厚になると、維新が公明党に選挙協力しないという脅しで蘇らせたのです。そうして2015年の大阪都構想住民投票が行われました。しかし住民投票でも大阪都構想は否決され、大阪では忘れ去られた存在になっていた――はずでした。
今回大阪維新は、大阪万博を大阪都構想とセットにすることで、大阪都構想を再び蘇らせようとしているわけです。しかも! 2017年6月の法協定が始まる前の2017年4月に、大阪維新と公明党は密約によって住民投票をすると取り交わしておりました。
法協定というのは大阪都構想をどんなものにするのか? を議論する場です。――つまり大阪維新と公明党の密約は、「大阪都構想の中身なんて何でもいい! とにかく住民投票がしたいんだ!」と白状しているに等しい話なのです!
中身が腐ってボロボロになって、動き続けるものなーんだ? 答えは大阪都構想!
万博を準備しながら大阪都構想なんて出来るはずがない
万博は2025年に大阪市の夢洲で開催されるようです。大阪万博の準備期間は”わずか”6年程度であり、あまり余裕がある準備期間ではありません。基本的には大阪市が準備の主体となるようです。
さてここで質問です。大阪市が準備の主体になるのに、大阪市が解体されたらだれが準備するのでしょうか? 大阪都構想とは大阪市解体構想です。大阪市を解体して4つや6つの特別区という、半人前の行政区を設置するというのが、大阪都構想の全概要と言って間違いありません。
さらに、大阪市を解体して大幅な再編をするわけですから、当然ながら混乱が起きるでしょう。恐らく数年程度は混乱をきたすのではないでしょうか? そんな中で大阪万博の準備も進むと思うほうが、どうにかしております。
報道によると大阪市長――吉村市長――などは、「府と市が力を合わせたから万博を誘致できた! それを一時的な人間関係だけではなく、構造して実現するのが大阪都構想」とのたまっているようです。ところで吉村市長、京都には文化庁が来るそうですが、府と市が協力して進めた大阪にはなにか来るのでしょうか? 私の記憶では確か、出張所がせいぜいだったかと思いますが。確か京都市も政令指定都市であり、府と市が二重行政とやらになっているはずですが?
と、少々イヤミも言いたくなります。万博をしっかり開催しようと思ったら、大阪都構想なんてしている暇はありませんし、百害あって一利なしなのです。
橋下徹の詭弁まみれのツイート
政治に100%完璧なものはない。以前より前進させるのが政治だ – 1月11日のツイート|BLOGOSによると橋下徹はこのようなことをツイートしております。要点だけ引用します。
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/27077/00309833/shiryo6-1.pdf…
維新政治や大阪都構想を批判する学者などは、最低これくらい読んでから批判してこい。こういう連中は、しょうもない一つ二つの数字や人格攻撃でもって全否定してくる。政治に100%完璧なものはない。以前より前進させるのが政治だ。
これまで大阪府市は連携して大改革・大事業を実行できる関係にはなかった。それを僕、松井知事、吉村市長の人間関係で、ここまで府市をまとめてきた。この人間関係を未来永劫の制度とするのが大阪都構想。府市が一体となれば大阪はここまでのことができる。しょうもない問題点の一つや二つは甘受すべき
大改革、大事業と自画自賛されておりますが、都道府県版GDP、大阪は3位に転落 愛知に抜かれる(朝日 2018.3.12)によれば、愛知県にGDPを抜かれて3位転落だそうですが……。
余談ですが大阪府の債務は、橋下知事時代に一番増えてたりします。太田府政が減債基金を取り崩したのは違法だったのか?(アゴラ 2018.12.30)では太田房江さん自身がコラムを書いておりまして、以下の画像も載せられております。
GDPでは愛知県に抜かれ、最近は債務残高がやや減少しているとはいえ、松井知事になった瞬間に財政再建団体に転落し……大改革? 大事業? と考え込んでしまいます。
ふと文字で編集しました「しょうもない問題点は甘受するべき」という橋下徹のツイートですが、大阪市が消滅するのが橋下徹によると「しょうもない問題点」なのだそうです。そもそも論ですが――半人前の特別区に編成されるというのは”前進”とは言いません。地方自治的には政令指定都市から最下層の特別区になるわけですから、明らかな”後退”なのです。
何度も書きます。知事・市長ダブル選では絶対に維新以外の候補を!
もう何度も書いておりますけれども、松井知事及び吉村市長が、ダブル選をやるのはほとんど決定のように思います。まずやるだろう、と想定しておいたほうが良いでしょう。
そしてここで維新を勝たせるということは、大阪都構想にフリーハンドを与えてしまうことと同義である、ということを絶対に承知しておかなければなりません。市長、知事のどちらかだけでも他党の候補にしないといけません。
大阪共産党や公明党、自民党等々は共同で知事、市長候補を出していただきたい。ここで共同の候補でないとか、大阪維新に利する利敵行為に等しいことだと思います。
「大阪都構想は反対だけど、知事と市長は維新で」などというのは、実質的には大阪都構想と大阪市解体に”賛成”となる投票行動です。なんとしても大阪市民、大阪府民は”大阪万博の円滑な開催のため”にも、大阪都構想を葬り去らねばなりません。
……次は、ちゃんと火葬してソンビにならないようにせんとあかんね(笑)