2019大阪都構想、公明党の胸の内は?怒号飛び交う法定協議会と大阪維新の強引さ

大阪都構想

法定協議会では怒号が飛び交ったらしい

 本日は大阪都構想について少々。カテゴリの大阪都構想関連で、区割りや2015年大阪都構想などのことは書いておりますので、興味のある方はご参照ください。

 さて、どうも大阪維新と大阪の公明党の決裂は決定的になったようです。怒号飛び交い決裂決定的に 大阪都構想めぐる法定協議会(FNN)によりますと、1月23日の大阪都構想の中身を議論する法定協議会では、公明党が協議会を散開する動議を提出し、これに対して大阪維新が反発して怒号が飛び交ったとのこと。

 ことの成り行きはこうです。大阪維新は大阪市議会で過半数をとっていません。ですので住民投票をするにも他党の協力が現在のところ必要、というわけ。その最有力候補であった公明党との決裂が決定的になり、脅しのつもりで使用していた「大阪府知事・市長ダブル選」が現実味を帯びてきたとのことです。

 ちなみに2019年は統一地方選挙もありますので、知事・市長ダブル選をちらつかせるということは、統一地方選挙で過半数を抑える見込みが、大阪維新にはないということを示しております。簡単に整理しますと、現在の大阪市は以下のような状況なのだと思います。

  • 大阪維新は過半数を現在抑えてないし、選挙で抑えられる見込みもない
  • したがって公明党に協力を申し出て、しかし芳しくないと知事・市長ダブル選をちらつかせた
  • 公明党としては「脅しに屈した」となれば面目が立たない。こうして大阪維新、公明党の決裂はほとんど決定的に

 大阪維新側で考えてみると、わりと苦しい状況です。なぜなら知事・市長ダブル選で勝利したとしても、公明党が住民投票に賛成する公算はよくて半々でしょう。むしろ大阪自民、大阪の旧民主などは大阪維新が強引なことをやればやるほどに、反発を強めてきました。公明党もそうなる可能性だって高い。

大阪公明党の胸の内を類推してみる

 公明党の胸の内やいかなるものか? を状況から類推してみたいと思います。まず2015年の大阪都構想住民投票においての、公明党の態度は「大阪都構想には反対だが、住民投票には賛成する」というものでした。良く言えば市民世論の尊重、悪く言えば代議士としての責任放棄です。

 そこで公明党が出してきた案が総合区案です。これは大阪市をそのまま残し、現在の行政区より権限を強くした総合区を設置して、ニアイズベターをはかろうというものです。2019年大阪都構想をもっと詳しく知りたい方は、今さら聞けない大阪都構想をご参照ください。非常にわかりやすく問答形式で解説がされております。

 ここで思い出してほしいのですが、そもそも大阪都構想の”ホンネ”は何だったのか? です。

  1. 財政的にも豊かな大阪市を解体して、財政的に苦しい大阪府に吸収したい
  2. 大阪維新のパフォーマンスとしての空っぽ政治ショー。つまり選挙用プロパガンダ

 じつは大阪市は非常に健全な財政状況です。2000年頃からコツコツと改善を進め、全国でも指折りの財政の健全な政令指定都市の1つなのです。ちなみに大阪府は橋下徹が大阪市長になり、松井知事が大阪府知事になった途端に、財政健全化団体に転落しました。

 このように”ホンネ”を見ていくと、そもそも大阪市議会の大阪維新以外の党派が大阪都構想に賛成をするわけがないのです。それは公明党とて同じ。だから「大阪都構想には反対だが、住民投票には賛成する。なぜならはじめてだから、大阪市民が決定したら良い」という理論が2015年にはかろうじて成り立ちました。では現在は? というと、2度めは流石に成り立つはずがありません。

 一事不再議の原則というものがありますが、これは一度議決したら同会期中には二度裁決はしないという原則。あの2015年の住民投票は何だったのか? 大阪市の解体に反対多数になったのであって、5区案がだめだからじゃあ4区で、いやいや6区でという話ではないのです。大阪維新のこれこそ詭弁です。

 そこで公明党は大阪市を解体せずに、総合区にしてニアイズベターを目指すという代案を打ち出したわけです。住民投票で大阪市の解体は否決されたのですから、建設的な提案と解釈も可能でしょう。ここで思い出してください。大阪維新の”ホンネ”を。「そんな建設的なことを言われたら、大阪市が解体でいないじゃないか!」というわけ。

冒頭の記事に戻ってみよう

 冒頭の記事では松井知事が「議員としての職務・職責を放棄するんですか」とコメントしたそうですが、大阪市長や大阪市議会議員の職務・職責を放棄しているのはどちらなのか? もう火を見るより明らかでしょう。根本的な部分で大阪維新は、職務・職責を党利党略と大阪府の財政のために放棄しているのです。

 そもそも、大阪市議会議員や大阪市長が大阪市解体を考えるなんぞ、何をどう考えても自爆テロ以外の何物でもないでしょう? なに? 身を切る改革? 切られて解体されるのは大阪市と大阪市民やっちゅーねん! 小泉改革で散々「痛みに耐えて!」とか言われて、痛みしか残ってへんやんけ?! ……失礼、熱くなりました。

大阪都構想関連の今後の見通し

 まだ何も安心はできないのですが、とりあえず大阪維新と公明党の決裂が決定的と解釈しうるものになった、というのは朗報です。流石に公明党も、ここで引きはしないでしょう。大阪維新系統の系列は「喧嘩論者」でありまして、国会議員の足立議員などもその系譜でしょう? 彼らがやっているのは基本的に煽り、自分を強く見せるということだけです。市民や国民のことなど、何も考えていないと言っても過大な表現ではないように思えます。もっとも……全員が全員とまでは言いませんけれども。

 報道でも知事・市長の大阪ダブル選の可能性が高まったと言われますし、私もそのように考えます。2月なり3月に大阪ダブル選で大阪維新が勝てば、4月の地方統一選挙が大阪維新有利に進むという公算が高いでしょう。

 そうなると下手をしたら地方統一選挙で、大阪維新が大阪市議会の過半数を抑えるという悪夢さえ、まだあり得るのです。そうなれば参院選と同時に住民投票というスケジュールも可能になるでしょう。何度でも、何度でも申し上げます! 知事・市長ダブル選で大阪維新がどちらも抑えるなどということは、すなわち大阪市の解体に直結する可能性が非常に高いのです!

 すなわち「松井知事で良い」とは「大阪市を解体しろ!」と言っているに等しく、「吉村市長で良い」とは「大阪市解体に賛成!」と言っているに等しいのです。特に! 大阪市民は吉村市長に投票しておいて、大阪都構想は反対! などという言は通らない、と承知しておくべきです。

 公明党が大阪維新と決裂したのは、確かに朗報です。しかし「大阪市解体」を目論む大阪維新に対して、「大阪市解体反対派」は未だになに1つ有利な状況にない、ということだけは断言可能です。1人でも多くの良識ある”大阪市民”が、声を上げてくれることを1人の大阪市在住、大阪人として祈念しております。

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