大阪都構想2015年バージョンと今回の違いとは何なのか?区割りを変えただけの同じもの?

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大阪都構想2015年バージョン

 大阪ではまたもや2019年に「参院選と同時投票で大阪都構想の住民投票」などという動きが出てきております。ローカルニュースであまり報道はされませんが。そこで私はふと疑問に思いました。「大阪都構想2015年バージョンと、今回の異なる点って何なのか?」と。

 これを調べる場合、実は一番手っ取り早いのは共産党のソースに当たることかと思います。TPP、消費税と同党は「ぶれない」「かなり論理的」という特徴を持っているためです。大阪都構想でも党を挙げて反対しており、ソースとなるものにかなり期待ができるのでは?と思いながら調べてみました。

 まず2015年バージョンについて、私の覚えておりますデメリットや問題点を箇条書きにしておきます。

  1. 政令指定都市である大阪市を解体する「自治体格下げ」構想であり、大阪府に権限を移譲するためのもの
  2. 大阪市解体による経済効果・財政効果などは存在しないか、あったとしても微々たるものである
  3. 解体と再編は確実に数年以上の市政の停滞と混乱を引き起こす
  4. 大阪府は大阪市の開発経験がなく、都市開発計画局の5つへの解体は大阪市の開発の停滞を招く
  5. 財政効果が各党で試算され「怪しい」となってから出てきたのが、ニアイズベターなどのウリ文句である

 賛成派は「府市統合で開発が進む」と主張してきましたが、大阪市の都市計画開発局を解体ないし分解して手足がなくなりながら、開発が進むわけがないのは明々白々。さらには都構想後の大阪市地域は特別区となり権限も予算も大阪府に握られるわけですから、「大阪府という大阪市の開発経験のない、ノウハウのない、そして手足もないものに権限と予算を移譲する」という大変にバカバカしいものでありました。

 本来であれば大差で反対多数となるのが常識的な話でしょう。しかし橋下徹の弁論術と詭弁術によって反対派は不利に立たされ、かろうじて勝利したのが前回の2015年の住民投票でありました。

今回の大阪都構想は2015年と何が違うのか?

 最初に結論から申し上げますと、じつは殆ど変わらないというのが実態です。冒頭で宣言差し上げた通り、日本共産党大阪府委員会の議論から見てみましょう。

 「オール大阪」の共同で「大阪都」構想のための2度目の「住民投票」を断じて許さず、2018年を「維新政治転換」の年に(日本共産党大阪府委員会)によりますとこうです。

 しかし、彼らがだした新たな「特別区案」なるものは、否決された「5区案」を「4区」または「6区案」にするというだけで、前回指摘された問題点にたいする真剣な反省や総括はなく、本質的には何の違いもうちだせていないものです。そればかりか、前回は鳴り物入りでうたった「財政効果額」は消え、「カジノ」(IR)などを進める以外に、「都」構想の大義も、道理も、大阪にどんなメリットがあるのかも示せず、より矛盾と破たんを広げるものになっています。

「オール大阪」の共同で「大阪都」構想のための2度目の「住民投票」を断じて許さず、2018年を「維新政治転換」の年に(日本共産党大阪府委員会)

 つまり区割りを変える以外は2015年バージョンの大阪都構想と何ら変わらない、ということのようです。そもそも大阪万博もIRも賛否はわきに置くとしても、大阪都構想でないと実現できないというわけでは断じてありません。むしろ大阪都構想と称して大阪市を解体し、再編するわけですから混乱が生じ、上記の2つについても遅滞を招くことになりそうなものです。法律や区割りは「通してはい終了」かもしれませんが、実際の再編作業には膨大なマンパワーを必要とするはずなのです。

2015年に住民投票で反対多数となったものを、このような詭弁術で再び住民投票にかけるなど断じてありえません。

大阪都構想の盛り上がらなさは異常

 今回の大阪都構想に関しましては、はっきり言いますと大阪市民の間でもほとんど話題に登っていないのが実情です。ぶっちゃけて言いますと相手にされていない、というか関心がないわけです。その証左に大阪都構想…応募ゼロ 対案の総合区と経済効果の試算事業者(産経)などで報じられているように、松井知事は大阪都構想の経済効果をシンクタンクに試算してもらおうとしたところ、応募者はゼロという有様。

 これはある意味で当然で、大阪市を解体して特別区に再編し直したからといって経済効果なんぞが「出るわけがない」のは当たり前だからでしょう。会社の部署を再編したら売上が上がるのなら、どこの会社だって再編しまくっておりますよ。当たり前の常識的な話です。再編したって売上は上がらないのです。

 さらには今年1月には総合区案も議論するとして公明党の協力を取り付けたい考えの維新でしたが、現在では大阪都構想、住民投票また先送りも 維新と公明、協議不調(産経 2018.12.4)にて公明党が応じる可能性は低いとまで報じられるほどに。しかし公明党は2015年も寸前で掌返しをして住民投票を招いた実績があり、全く安心はできないのが実情ではあります。

 現在、大阪都構想の住民投票を維新は2019年の参院選と同日との方針を表明しております。しかし公明党にとっては国政選挙のほうが大事というのは非常に大きく、「現在のところは」維新に協調しないと見られております。同調してほしくないと強く思います。

2015年の住民投票後の大阪市の空気

 私は大阪市に在住しておりまして、2015年の大阪都構想の住民投票前後の空気をまざまざと知っております。住民投票前の大阪市の空気はまさに「分裂・対立」と呼ぶにふさわしいものでした。知り合いのショットバーでも話題になっておりましたし、私自身も賛成派の方からお酒の席で議論をふっかけられて、延々と「都構想には何もない、空っぽ」ということをご説明差し上げた記憶があります。最終的な相手さんの言い分が「いやでも、改革は必要だから」になった際にはため息が出たものです。

 BLOGOSでも散々に大阪都構想賛成派と論争をしたものですが、住民投票後に恨み言をいわれるほどに確執は深まっておりました。私の住んでいる街もなんだか気のせいかもしれませんが、ギスギスしたものを感じたものです。

 再び住民投票をするとは、すなわちまたもや大阪市を分裂・対立に陥らせる危険性が十二分にあるということは承知しておくべきでしょう。維新の党利党略と政治ショーに付き合って、そのような事態を招くなどというのは愚の骨頂であるのです。大阪都構想は断じてNOと言わなければなりません。

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2 Comments
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 阿吽
5 年 前

一度目は悲劇として、二度目は喜劇として・・・。

なんだか・・、盛り上がらないと言われる方が、なんだか怖い感じがしますね・・・・。

好きにすればという感じで、なんとなく、推進され、なんとなく、大阪都ができるという可能性も、なきにしもあらずというような感じもします・・。

そこまで盛り上がることもなく(左記は、こちら界隈での盛り上がりは凄かったですが、世間的にはということで)可決された、水道法改正や、入管法改正を彷彿とさせるようで、嫌ですね・・・・。