コロナにより引き起こされた世界同時不況は日本の凋落を加速する

 経済関連の指標やニュースに注目しているのですが、非常にマズいことばかりです。

 コロナウイルスのパンデミックにより、世界同時不況の恐れがあると報じられています。しかし「すでに世界同時不況は始まっている」というのが、筆者の見立てです。

 2008年のリーマンショックより、今回のコロナウイルスによる世界同時不況のほうがやっかいな構造をしているのではないか? と考えています。
 世界同時不況がすでに始まっているとする理由や、コロナウイルスによる世界同時不況のやっかいさなどを解説します。

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コロナウイルスで世界同時不況がやってきた

アメリカの景気後退予測

 アメリカはコロナウイルスの影響で、すでに景気後退しているのでは? との予測があります。アメリカ景気、コロナで後退入り?トランプ氏「そうかもしれない」 | ハフポストなどで、報じられているところです。

 2期連続でマイナス成長になると、景気後退(リセッション)と見なされます。アメリカはその恐れが強いとのこと。

中国は当然ながら景気後退

 中国は2020年1-3月期に、初めてマイナス成長になる公算が高いようです。2000年代より台頭してきた中国経済は、2010年には日本のGDPを超えて、世界第2位の経済大国へとのし上がりました。

 高い経済成長率で、世界経済を牽引する一角を中国が担っていたのです。その中国のマイナス成長は、大きなインパクトを世界経済に与えます。
参照 中国の1-3経済成長率はマイナス9%、ゴールドマンが予想下方修正 – Bloomberg

アメリカの消費に支えられた経済構造は2008年と同じ

 世界経済の構造は、世界同時不況が起きた2008年とあまり変わっていません。アメリカの消費が、世界経済の好不調を決定します。
 パンデミックの場合、最善でもGDP損失は2.3兆ドル。米シンクタンク試算 | Business Insider Japanなどの報道あるように、コロナウイルスの影響が今後、どの程度になるかは予断を許しません。

 よってアメリカ経済が今後どうなるか? によって、世界経済の行方がある程度予測できるでしょう。

先だって悪化していた日本経済は転落へ

世界に先立って2019年10月から悪化していた日本経済

 日本は2019年10月に消費増税を実施し、10-12月期のGDPは年率で7.1%減という当たり前の結果になりました。

 日本政府やマスメディア、有識者などが「駆け込み需要が盛り上がらないので、消費増税後の落ち込みも少ないのでは?」と予測しましたが、見事に大外れです。
 この希望的観測、楽観視は戦時中に通じるものがあるのでは? と思います。

 世界同時不況を先取りして、日本経済は悪化していました。そこに世界同時不況が加わればどうなるか? 小学生でも答えられる質問でしょう。

2020年1-3月期も前年比マイナスで景気後退は確実

 2期連続のマイナス成長は景気後退(リセッション)と見なされます。ビジネス特集 世界同時不況のおそれ? 新型コロナで景気は… | NHKニュースによれば、日本経済の実感は相当にひどいものです。

  • 民間エコノミストは2020年1-3月期を2.89%減のマイナス成長と予測
  • 都内の飲み屋も閑散としている
  • デパートの売り上げは前年同期比で3~4割減
  • 旅館やホテルの3~5月の予約は45%減少

 昨日、筆者は梅田のヨドバシカメラで昼食にしました。8Fのレストラン街は平日でも、いつもなら3割ほどの店に列ができます。しかし列があった店はゼロ。
 少々お昼を過ぎた13時に行ったのですが、客が入っている店でも5割程度でした。平均すると2~3割程度の客入りです。

政府の「緩やかな回復」は大本営発表

 日本政府は景気判断を「緩やかな回復局面」と強弁してきました。しかしじつは2019年の最初から、日本の景気は後退しているのでは? との疑義は存在したのです。

 今年に入っても政府は「緩やかな回復」と発表しましたが、何をどう考えても大本営発表です。

2008年の世界同時不況と共通のポイント、異なるポイント

2008年と2020年で共通するポイント

アメリカの消費が世界経済を下支え

 上述しましたが、世界の経済構造は「アメリカの消費が景気を下支えしている」という点で2008年と2020年は変わりません。アメリカ経済が打撃を受ければ、世界経済も不調になります。

 ちなみに日本は安倍政権で、外需依存を強めてきました。インバウンド政策はその典型例です。よって今回の世界同時不況で、日本経済が受けるダメージは計り知れません。

グローバル化し、連鎖的に影響し合う世界経済

 2008年も2020年も、グローバル化の度合いで同程度でしょう。2008年のリーマンショックは、アメリカ発でした。今回のコロナウイルスによる世界同時不況は、中国発です。

 金融と感染症という違いはあるものの、連鎖的に影響し合う構造は共通のポイントです。

世界同時不況前に、最悪の選択をする日本

 リーマンショックの時も今回も、日本は常に最悪の選択をしています。2008年は大型補正予算を組んだ麻生政権を、日本は拒否しました。今回は世界同時不況前に、消費増税を決行しています。

 正直な話、頭の悪い国だなぁ……としか思えません。
 状況的には2008年より、さらにマズいことになりそうです。

2008年と2020年で異なるポイント

中国がさらに台頭し、世界経済に対する比率が高くなっている

 2008年と2020年が異なるポイントとして、最初にあげられるのが中国の経済成長でしょう。2008年はまだ、日本が世界第2位の経済大国でした。現在では中国が大きく水をあけ、世界第2位の経済大国になりました。

 2010年に追い抜かれ、10年後にはGDPで3倍差をつけられています。
 中国のGDPは、アメリカの6~7割に迫る勢いです。2008年と大きく異なるポイントの1つでしょう。

コロナウイルスという不安定要素と財政政策

 2008年の世界同時不況は、金融が発端でした。CDS等々と呼ばれる金融工学の詐欺商品が、深刻な金融危機を引き起こしたのです。
 今回はコロナウイルスという、感染症です。

 金融商品発の金融危機なら、財政政策でカバーが効きます。しかしコロナウイルスという感染症発の世界同時不況は、財政政策の実施をためらわせます。なぜなら財政政策の実施はイコールで需要の創出であり、人の動きの活発化です。

 人の動きが活発化すれば、感染症も拡大リスクが大きくなります。

 2008年と2020年の世界同時不況で、最も異なるポイントです。

さらに低成長化した世界経済

 グローバル化が進むと、世界経済は低成長化します。グローバル化はイコールで、小さな政府を志向し、必要な国債発行を政府が行いません。

 資本主義とは負債を拡大し続けて、経済成長する経済形態です。よって政府の負債が拡大しないことは、低成長へと直結します。
 よしんば民間の負債拡大で経済成長を達成しても、バブルと呼ばれる現象になり、金融危機が勃発しますから無意味です。

 2008年までもそのような傾向は強くありました。しかし2008年のリーマンショック、世界同時不況を受けてさらに低成長は深刻化しました。

停滞する世界経済、凋落する日本経済

 コロナウイルスのパンデミックで、世界経済は大きなダメージを受ける可能性が高いです。コロナウイルスが従来の金融危機と異なるところは、ワクチンができるまで脅威が去らないという面です。

 また世界経済の構造は2008年以前と比べて、さらに脆弱化しています。中国のマイナス成長は仕方ないにしても、その影響が即座にアメリカ経済を揺るがすほどです。どこかで危機が起きれば、連鎖的に世界経済は悪化する構造になってしまいました。

 報道によれば世界中がデフレになるかも? などという予測まで出てきているのだとか。さもありなん。

 世界経済が脆弱化し、デフレになるかもしれないという予測が正しいとするのなら……世界経済は停滞に向かいます。「超低成長時代」とでも表現するべき時代になるかもしれません。

 日本経済はさらに深刻です。世界経済に先駆けて悪化し、さらに世界同時不況の影響をもろに受けるのですから。

 相対的には世界経済が停滞だとすれば、日本経済は凋落の一途をたどることでしょう。

 筆者の抱く器具が正しいとするのなら、世界も日本も1つのターニングポイントに立たされているのかもしれません。

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Muse
2 月 前

昨日と本日のエントリーは、かなり悲観的な内容ですが、すべて真実です。悲観的ついでに言えば、これで南海トラフ地震か首都直下型地震が起きれば、日本経済というか日本社会は完全に壊滅します。まさに「日本沈没」、海の藻屑と化します。

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