コロナウイルスのデマまとめ-デマにだまされない思考法3つのルール

 コロナウイルスがどうやら、日本でも猛威を振るおうとしています。WHOの西太平洋事務局長だった尾身茂氏が2月13日、記者会見で日本は感染早期にあるとの認識を示しました。

 2009年の新型インフルエンザでは、日本のみ死亡率が非常に低くなりました。これは早期での封じ込めに成功したからです。今後、早期封じ込めができるかどうか? 政府の対応にかかっています。
参照 「国内感染は始まっている。死亡者数の最小化を最大の目標に」~新型ウイルス対策で元WHO幹部が提言(江川紹子)

 コロナウイルスの蔓延とともに、デマも同時に拡大しました。拡大した5つのデマについてご紹介しましょう。またデマにだまされなための思考法を、解説します。

スポンサーリンク

コロナウイルスで蔓延するデマ情報

 コロナウイルスの感染拡大は、様々なデマ情報を生み出しました。そしてインターネット全盛期、デマ情報の拡大は加速しています。
 特にSNSでのデマ拡大は、今後の取り組みが問われそうです。

 一方でインターネットにデマ拡大の罪を、全て背負わせるのは間違いです。なぜならデマとは、インターネット登場以前も「噂」として存在したのです。

コロナウイルス5つのデマまとめ

コロナウイルス関連のデマ① 関空でコロナウイルス感染患者が逃げた

 2020年1月下旬に「中国人が関空から病院に搬送され、検査前に逃げ出した」「京都やUSJに向かった」などのデマが拡散されました。
参照 新型肺炎でデマ拡散「中国人が関空から病院に搬送、検査前に逃走した」は事実無根「USJと京都に向かった」と広がる

 これに対して関空は「そのような事実はない」と即座に否定。

コロナウイルス関連のデマ② 中国人が日本の健康保険制度にただ乗りしようと来日する

 2020年1月25日にAbemaPrimeで、武漢からの中国人観光客が「私と家族の健康のために来ました」と回答する画像がTwitterに出回りました。これに対して、いわゆる愛国保守系やネトウヨ系インフルエンサー、まとめサイトが「中国人が日本の健康保険制度を悪用しようと、大挙して来日する」とデマを広めました。

  1. 愛国系保守を名乗るなら、デマを信じたとしてもまず「そんな欠陥のある医療制度の改正を、政府に求める」が普通では?
  2. 少しは制度を調べるのが、情報リテラシーというものでは?

 新型コロナウイルス「中国人が日本の健康保険を“悪乗り”するために押し寄せる」は不正確。まとめサイトが拡散によれば、厚労省の見解などから完全にデマとのことです。

「中国人が健康保険を“悪乗り”するために押し寄せる」という記事の見出しや、そう類推させるような内容は不正確だ。

なぜなら観光や医療ツーリズムで主に利用される在留資格では、国民健康保険を利用することはできず、医療費は全額自己負担になるからだ。

コロナウイルス関連のデマ③ コロナウイルスの致死率は15%

 台湾のサイトで「コロナウイルスの致死率は15%、感染率83%」と書かれたニュースサイトの記事が日本で出回り、いわゆる愛国保守系やネトウヨ、まとめサイトなどのインフルエンサーが拡散しましたが、これも当然ながらデマです。

 WHOが“致死率3%程度” 専門家「今後 注意が必要」 | NHKニュースによれば、致死率は3%程度とのこと。それでも従来型のインフルエンザの致死率が0.1%ほどですから、30倍の致死率という計算になります。
参照 新型コロナ、インフルやエボラと比べた危険度は | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

コロナウイルス関連のデマ④ コロナウイルスは中国の生物兵器

 コロナウイルスは生物兵器の研究施設から、流出したものだというデマがまことしやかにささやかれました。筆者もTwitter上で、この手のツイートをよく見かけました。
 しかし完全にデマです。

 新型コロナウイルス「生物兵器論」は本当なのか | 東洋経済オンラインによれば「現在、遺伝子配列がすでに公表されています。この配列の分析から、ウイルスが人工的に製造されたことを示す箇所は見つかりません。実験施設から流出したものである可能性はないのです。完全に自然界のウイルスです」と、専門家も述べているとのこと。

 燻る「新型ウイルス=生物兵器」説、専門家が解説 コロナウイルス問題の背後に「中台対峙」の可能性示唆(1/3) | JBpressのように、そこそこまともなニュースサイトまでが取り上げるほどです。
※ただし上記記事では「可能性は否定できない」としているだけ。

コロナウイルス関連のデマ⑤ コロナウイルスにはアルコール消毒が効かない

 新型コロナウイルスには、アルコール消毒が効かないというデマもあります。厚労省はTwitterやサイトで「効きます。デマです」と発表しています。
参照 新型コロナ予防に「『アルコール消毒は効果がない』は誤った情報」 厚労省が注意呼びかけ : J-CASTニュース

 ウイルスにはアルコール消毒が効くタイプと効かないタイプの2種類があります。エンベロープを持つウイルスには、アルコール消毒や中性洗剤、石けんなどの効果が確認されています。なぜならエンベロープの大部分は脂質で、アルコールや洗剤で破壊されるからです。
参照 「アルコール消毒」が効かないウイルスも!?医師が答える正しい予防策(健康ぴた)新型コロナウイルスやインフルエンザなどが…|dメニューニュース(NTTドコモ)

デマにだまされないための思考法3つのルール

 「情報は早ければ早いほど、自身を有利にする」と、多くの人が無意識に確信しています。しかしこの確信に、1つだけ言葉を付け足しましょう。「“正確な”情報は早ければ早いほど、自身を有利にする」と。

 デマが拡散する理由は3つあります。

  1. 「自分は知っている」「すごいだろ!」という承認欲求
  2. コロナウイルスなどの脅威への恐怖と思考停止
  3. 情報リテラシーの欠如

 1.は「他の人が知らないから、教えてあげる」という善意の形をしています。しかし本当に善意なら「情報が正確かどうか確認する」という作業を怠るはずがありません。
 また受け手側もコロナウイルスなどへの恐怖が、思考停止として表れます。決定的なのは拡散する側も、まともに受け取る側も情報リテラシーが欠如しているということです。

 上記を踏まえた上で、以下の3つのルールを守るとよいでしょう。

  1. 情報は一次ソースから。二次ソースでも信頼できる情報源を
  2. SNS情報は必ず真偽を確認しよう
  3. 科学的思考、論理的思考で事実を見極めて

 基本的には一次ソース、それが無理でも信頼できる二次ソースから情報をとるべきです。「マスコミは信用できない!」という人がいますが、SNSやまとめサイトより圧倒的に信用できます。
 SNSやまとめサイトは、出所不明の情報も多く出回ります。必ずソースを確認しましょう。

 ソースを確認しても、論理的に整合性がとれているかどうか? 一度考えてみましょう。

 例えば新型肺炎、中国本土の死者1665人に 感染は6万8500人:日本経済新聞との報道があります。死者数の割合は2.4%程度となり「コロナウイルスの致死率が2~3%」という見解が、事実として正しいことが確認できます。
 少なくとも「致死率が15%」というデマを、真に受けることはないでしょう。

コロナウイルスのデマ まとめ

 コロナウイルス関連のデマでも、愛国保守系やネトウヨ、まとめサイトが原因のものが多くありました。適菜収氏は「何度も書くけど、ネトウヨは右翼ではない。右翼の文献を読んでいるわけでもない。ネトウヨは、『ネット上にウヨウヨいる情報弱者』の略。要するにバカ」とツイートしましたが、その通りだなぁ……と。

 不正確な情報やデマは、社会に対して悪影響ですし不安をあおります。自分がデマの発信に加担しないように、気をつけてくださいね。

政治・時事
スポンサーリンク
今の日本を深く考えるためにおすすめの本

 鬼才・佐藤建志による現代日本の病理をえぐり出し、ベストセラーになった名著。日本が隷従かつ貧しくなるメカニズムを解明。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
この記事を書いた人

「難しいこともわかりやすく」政治・経済コラムをメインに発信。2019年まで16年間自営業→SEO/ウェブ制作/ウェブライター/進撃の庶民管理人などで活動中。
日本で数少ない現代貨幣理論の論者(MMTer)。
左右や保守・革新にこだわらず「庶民(自分含む)のためになる政治経済情報」をブログで掲載。
Twitterか右下ベルマークからフォローをお願いします。
政治ブログランキングで応援する

高橋 聡をフォローする
高橋聡オフィシャルブログ バッカス
申し込む
通知する
0 Comments
インラインフィードバック
すべてのコメントを表示