現代貨幣理論を簡単に解説している記事がなかったので書いてみた

この記事は約8分で読めます。

 現代貨幣理論は最近、あちらこちらで流行しています。筆者は現代貨幣理論が、日本で初めて紹介された富国と強兵(中野剛志)で知りました。
 もっと多くの人に現代貨幣理論を知ってほしい、もっと広まったらと思います。

 ……ところが「現代貨幣理論 簡単に」で検索したところ、簡単に書いてある記事がない(笑)

 簡単に現代貨幣理論を解説した記事がなかったので、しょうがないから書いてみた。

スポンサーリンク

現代貨幣理論とは何か?

 現代貨幣理論は英語で「Modern monetary theory」と書きます。略してMMTと呼ばれるのが一般的です。もっとも簡単に現代貨幣理論を表現するなら「自国通貨建てで国債発行はいくらでも(インフレ制約以外で)可能」とする理論です。

 現代貨幣理論の権威として有名なのは、以下の人たちです。検索するときなど、参考にしてください。

  1. ステファニー・ケルトン
  2. ビル・ミッチェル
  3. L・ランダル・レイ
  4. ウォレーン・モズラー
  5. 中野剛志

現代貨幣理論は歴史ある経済学派から生まれた

 現代貨幣理論は、最近出てきた新理論と勘違いされます。しかし現代貨幣理論の源流は、多くの偉大な経済学者達によって築かれました。歴史と多くの議論と知見に裏打ちされた、しっかりとした経済学なのです。

 以下にその経済学者の一例をあげます。

  1. ゲオルグ・フリードリッヒ・クナップ
  2. ミッチェル・イネス
  3. ジョン・メイナード・ケインズ
  4. ワイン・ゴッドリー
  5. ハイマン・ミンスキー

いままでの経済学と現代貨幣理論の違い

 今までの経済学を、主流派経済学と呼称します。主流派経済学と現代貨幣理論は、何が違うのでしょうか?

  1. 主流派経済学の理論には貨幣が存在しなかった
  2. 主流派経済学は信用創造を理解できていなかった
  3. 外生的貨幣供給説と内生的貨幣供給説

 はいそこ、この箇条書きで「む、難しそう……。読むの止める!」とか言うのやめて(笑)ちゃんと簡単に解説しますから。

主流派経済学の理論には貨幣が存在しなかった

 驚かれるかもしれませんが、教科書などに書かれる主流派経済学の理論には貨幣が存在しません。いや、まじで。嘘だと思うのなら、どの経済学の教科書でもいいです。読んでみてください。

 なぜ主流派経済学に貨幣が存在しないのか? 以下の神話を信じていたからです。
※以下の物々交換神話は、民俗学や歴史学では否定されています。物々交換経済が成り立ったという、いかなる証拠も存在してません。

  1. もともと物々交換だったが、不便で貨幣が生まれた
  2. 貨幣には貴金属が使用された
  3. 時代を経て現在は不換紙幣が使用されるようになった

 自分の生産したモノの価値を保存しておける。それが貨幣だと、主流派経済学は考えていました。この考え方では、貨幣は取引を媒介しているだけです。最悪なくても物々交換で取引可能です。

 したがって主流派経済学は、物々交換を前提とした理論とモデルになりました。

 現代貨幣理論は「貨幣の理論」ですから、当然ながら理論に貨幣が存在します。

  1. 主流派経済学の理論に貨幣が存在しない
  2. 現代貨幣理論は貨幣の存在する理論(というか、貨幣の理論)

 ここが一番大きな違いです。

主流派経済学は信用創造を理解できていなかった

 信用創造とは英語で「Money Creation」と書きます。直訳すると「貨幣創出」「お金を作る」です。信用創造という言葉は分かりづらいので、「信用創造=貨幣創出」とおぼえてくださいね。

 信用創造を一言で説明しろって? 「負債=貨幣」です。言い換えれば「誰かが借りると、お金が生まれる」です。

 詳しくは上記の記事をご参照ください。どうして「借りるとお金が作られる」のか? 簡単にポイントだけ解説しましょう。

誰かの債権=誰かの債務

 お金はあなたにとって、誰とでも交換可能な債権です。500円でコンビニ弁当が買えるのも、お金が債権だからです。債権という言葉がわかりにくければ、資産でもいいです。

 では債権だけが、単特で存在することは可能でしょうか? 債権の裏には必ず、負債が存在します。「借りてくれる人がいないと、貸せない」のです。
 私達のお金、つまり日本銀行券という債権は、日本銀行の「負債」です。

 この考え方をすすめていくと「政府が借金するから、民間資産(お金)が増える」にまで行き着きます。

外生的貨幣供給説と内生的貨幣供給説

 難しそうな見出しですが、中身は簡単です。

  1. お金がどこかに貯めてあって、そこから使用されると思っている外生的貨幣供給説
  2. お金は借りたら生まれるとする内生的貨幣供給説

 1.が主流派経済学、2.が現代貨幣理論の理論です。
 1.は「お金の量には限りがある」のですが、2.は「借りたら生まれる。したがって限りがない」と考えます。

現代貨幣理論が国の借金を問題ないとする理由

 長い間、マスメディアや新聞で「国の借金が1000兆円! 大変だ!」とされてきました。しかしじつは主流派経済学も、もちろん現代貨幣理論も「政府の借金そのものに問題はありえない」とする見解は一緒です。

 なぜか? 日本政府が借りている国債は、日本円で発行されていあす。自国通貨建てと言います。
 では日本円を発行する権限は誰にあるか? 通貨発行権は国家主権であり、政府に権限が存在します。
 「自分で発行できる通貨で借金をして、返せなくなることはありえない」わけです。

 上記までが、主流派経済学(渋々と認めた)と現代貨幣理論の共通の見解です。では何が違うのか? 主流派経済学は「国債の額が大きくなると、ハイパーインフレが起こる! コントロールできなくなる!」と言います。
 現代貨幣理論は「ハイパーインフレになる前に止められるでしょ?」と考えます。

 なぜハイパーインフレを、心配しなくてもよいのか。簡単に言えば「民主主義国家が戦争や革命、内乱など以外でハイパーインフレになった例は存在しないから」です。つまりコントロール可能というわけ。
 もっと経済的な理論の話をしろって? 以下の記事を参照してください。

これから現代貨幣理論を学ぶ人達へ

 本稿では簡単に、現代貨幣理論が従来の経済学と異なる点を解説しました。現代貨幣理論の要点は、信用創造を理解できるかどうか? につきます。
 そして信用創造を理解するとは「貨幣=負債」という、貨幣の本質を理解することでもあります。

 なんだか難しそう……と思わないでください。じつは日本で、すごく簡単に現代貨幣理論のキモである信用創造を解説した本があります。

 まず以下の一冊からがおすすめです。もっとも簡単に現代貨幣理論の要点を理解できるでしょう。

 他にも現代貨幣理論で、参考になりそうな記事を並べておきます。

スポンサーリンク

1つ星2つ星3つ星4つ星5つ星 (13人が評価 平均: 5.00)
読み込み中...

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。
記事一覧・ブログトップ
 記事が参考になりましたら、ブログランキングクリックで応援お願いします。

 フォローボタンで端末(PC、スマフォ)に更新が届きます。通常1日1回ほどの更新です(同ボタンで解除可能)Firefox、Chrome対応。


スポンサーリンク
経済
この記事をSNSで共有する
高橋聡オフィシャルブログ バッカス

コメントを残す

  Subscribe  
更新通知を受け取る »
タイトルとURLをコピーしました