国力とノーベル賞-2018・2019日本人ノーベル賞は最後の輝き?

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 21世紀になって日本は、ノーベル賞受賞者が急増しました。閉塞感のある現在において、非常に明るいニュースです。2018年、2019年には2年連続で受賞しました。

 まず2018年の本庶佑氏、2019年の吉野彰氏の、輝かしい業績をご紹介します。そして21世紀になって、ノーベル賞受賞者が日本で急増した理由を解き明かしましょう。
 上記構造を参照することで、日本の将来を占うことすら可能です。

 非常に残念ながら、日本の将来は暗澹としていると言わざるを得ません。日本の没落と表現しなければならないでしょう。

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218年と2019年の輝かしいノーベル賞-本庶佑氏と吉野彰氏

 2018年、2019年は記憶に新しく、ノーベル賞を2年連続で日本人が受賞しました。本庶佑氏、吉野彰氏の両名です。

 本庶佑氏は京都大学特別教授です。免疫の働きを抑える物質を発見し、がんに対して免疫が働くようにする治療薬の開発に貢献したことにより、2018年にノーベル医学・生理学賞を受賞しました。
 1970年代から免疫学の基礎研究に、着手していたようです。

 吉野彰氏はリチウムイオン電池の開発で、ノーベル化学賞を2019年に受賞しました。高出力で繰り返し充電ができるリチウムイオン電池は、ワイヤレス機器などに広く使用されています。1980年代前半から研究を開始し、1990年代後半から急速に普及し始めました。

ノーベル賞は過去を、大学は未来を指し示す

 研究開発には多くの予算と時間がかかります。特にその研究がノーベル賞を取るようなイノベーティブなものなら、なおさらです。
 真説・企業論 ビジネススクールが教えない経営学によれば、30年かかることも珍しくないとのこと。もっとも現代は短期主義のため、研究期間が短くならざるを得ないことも指摘されています。

 21世紀にノーベル賞が、日本で急増したのには理由があります。1980年代から1990年代の日本の大学は、世界トップレベルでした。また経済も「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれる勢いであり、潤沢な研究予算もあったようです。
 この時期の研究成果が、21世紀の日本のノーベル賞受賞急増の基礎になっています。

 ノーベル賞は日本の、輝かしかった過去を示しています。1970年~1999年までの、日本人のノーベル賞受賞者は5人です。比して2000年~2019年は19人と4倍近くに増えています。
 教育に力を入れて大学のレベルが上がると、おおよそ20年後にノーベル賞が急増したのです。したがって大学のレベルは、未来を示していると言えます。

現在の日本の大学の世界でのランキングと位置づけ

 1980年代に東京大学は、世界のトップクラスでした。では現在はどうでしょう。大学のランキングはいくつかあるのですが、日本の国力がアジアで低下、このままでは韓国にも追い抜かれる理由 | 野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る | ダイヤモンド・オンラインを参照します。

 イギリスの高等教育専門誌THEが発表したランキングでは、東京大学36位、京都大学65位という結果です。アジアでは清華大学23位、北京大学24位、シンガポール国立大学25位です。
 上位200位に入る大学数は日本が2校に対して、中国7校、韓国6校、香港5校となります。

 さらにコンピューターサイエンスの分野においては、アジア勢がトップ10のうち6校を占めています。しかし日本では東京大学が134位と、比較にならないようです。

 大学が未来を示すのならば、日本の技術的凋落はほとんど自明の未来です。20年スパンで大学区のレベルは、ノーベル賞という結果に現れます。よって2020年以降、日本はノーベル賞がほとんど取れなくなると予測されます。

 さらに論文シェアでは、すでにこの10年で凋落が始まっております。
参照:データで読み解く日本の研究力の現状と課題|THE世界大学ランキング 日本版

ノーベル賞と技術、経済、国力の関係性

 日本は1954年から1973年までが、高度成長期でした。この後、日本の経済は世界で確固たる地位を占めます。経済が興隆すれば、教育などへの予算も増えます。1980年代~1990年代の日本の大学が、世界で冠たる地位を占めたのは「経済の力」が大きかったのです。

 教育への予算や投資が増え、研究開発投資も増えれば技術力が「10年や20年のスパン」で増加します。こうして21世紀初頭の日本は、ノーベル賞が急増しました。

 現在はどうでしょう。緊縮財政で経済は停滞し、教育や研究への投資予算も削られています。失われた20年で、日本の国際的な地位や経済力は既存され続けています。また大学もランキングを、大きく落としています。
 国土や国民に投資しなくなった国家は、自明のこととして凋落していくのです。

 このままいけば1人あたりのGDPで、韓国には2040年に追い抜かれるそうです。中国も2040年には、日本の6割まで1人あたりのGDPが伸びると予測されています。15億人の平均が「日本人のGDPの6割」という数字には、驚愕するしかありません。

 もはや「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代は過ぎ去りし日々。すでに「アジアのリーダー(と2000年代にはメディアが「真面目に」論じていた)」という地位すらありません。

 日本没落の時代にどうすればよいのか。日本人一人ひとりが、真剣に受け止めねばなりません。

時間のない人へのまとめ

  1. 21世紀の日本はノーベル賞が急増
  2. その理由は1980年代~90年代の日本の大学レベルの高さと、予算や経済力にあった
  3. 現在では東京大学ですら世界で36位。このままでは将来、ノーベル賞は取れなくなるだろう
  4. 経済の停滞が、相対的な研究開発費や教育費の下落を招いている
  5. 経済の停滞の原因は、緊縮財政だ。国土と国民に投資しない国家が、凋落していくのはあまりに自明だ
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Muse

本稿で述べられている内容はあまりにも明々白々な客観的な事実であり、個人的に特に目新しいことはありません。

それよりも、誠に由々しきことは、日本国家の将来に危機感を持ち、どうすればこの日本国家の没落を食い止めて再浮上させられるのか?ということを真剣に考えている国民が果たしてどれだけいるのか?ほとんどいないのではないのか?という感じがすることです。

まあ、日々の仕事に忙しくて、政治経済や国家の命運など考えている余裕がないことも事実でしょうが、そのことが政治的無関心→投票率の著しい低下を招き、アホ丸出しの為政者達による暴虐政治の結果、国民全体が滅びの道へとまっしぐらに突き進む。

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