愛国ビジネスで考える、ネトウヨ的愛国心-愛国主義がいびつな理由

 愛国ビジネスという言葉が一時期、取り上げられました。愛国的な内容の書籍などを販売し、ビジネスにすることです。

 愛国ビジネスという活動は、許容されるべきでしょう。世の中に「この商品が好きでたまらないから、その広告を作っている」という人はなかなかいません。

 しかしその商品を買う人は違います。「その商品がほしい」から買うわけです。ニーズ(必要)ではなくウォンツ(欲求)で購買行動します。
 したがって「愛国ビジネスを購入する、ネトウヨたちのウォンツ」がわかれば、ネトウヨが想像する愛国心の形もはっきりするのではないでしょうか?

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愛国ビジネスの定義と形

 愛国ビジネスは嫌韓・嫌中やネトウヨの主張から派生しました。「(ネトウヨ的な)愛国的主張を述べることで、ファンを獲得して売上を得ようとするビジネスの総称」です。

 1冊3000万円も ネット右翼のビジネスモデル――なぜ私は「愛国商売」と決別したか | 文春オンラインの古谷経衡氏によれば、愛国ビジネスは4パターンあります。

  1. 出版専業の保守系言論人(地上波露出なし)
  2. 信者を囲い込む(各種勉強会、私塾等を主宰)
  3. 中小零細企業経営者などのパトロンを付ける
  4. 活動家方面に軸足を置いて任意団体を設立し、寄付や会費を募る

 現実的なビジネスモデルは、1.と2.ではではないでしょうか。NHKから国民を守る党の、立花孝志氏などは完全に4.です。もちろん立花孝志氏が「愛国ビジネス家」と断定するわけではありませんが。

 様々な形の愛国ビジネスがありますが、主張は以下のようなものが多い。

  1. 敵を設定する(韓国や中国、在日朝鮮人やマスメディアなど)
  2. 普通の日本人なら愛国心を持っている、ないし目覚めていないだけと仮定する
  3. よって敵は反日勢力であり、愛国心に目覚めたのなら戦わなければならないと結論する

 上記の流れに歴史問題や改憲、イデオロギーなどで理屈付けするのが愛国ビジネスの特徴です。

愛国ビジネスにネトウヨが求めるウォンツ

 ニーズとは「必要だから」という物理的な購入動機です。ウォンツは「欲しいから」という欲求、感情的な購入動機になります。
 現代日本の消費行動の大半は、ニーズではなくウォンツではないか? という分析もあります。

 愛国ビジネスは、ビジネスとして成り立っています。消費者であるネトウヨは、何を欲して愛国ビジネスを購入しているのでしょう。

 詳らかには申し述べませんが、ネトウヨの行動には以下のような傾向があります。

  1. 「大義がある」「みんなでする」のなら、違法行為も辞さない傾向(弁護士大量懲戒請求事件)
  2. ネット上では常に、マウントを取りたがる傾向(自身が正義で、敵対する人たちを悪とみなす)
  3. 論理性が認められない傾向(ネトウヨとパヨク、物江潤氏の分析と定義)

 そもそもネトウヨやパヨクの定義とは「対話不可能な人々」です。自分たちの主張する結論――理由付けや客観的事実は存在しなくても――が正義、という前提条件を持った人たちとも言えます。

 ではネトウヨたちが求めるウォンツとは?

  1. 何でも正当化できる、愛国心という大義
  2. 自分たちの主張と行動を正当化してくれる権威
  3. 自分たちがするべきことを指示してくれるリーダー

 上記3つが、ネトウヨの愛国ウォンツと言えるでしょう。
 「愛国心という大義」と「著名人による権威付け」で、自分たちの主義主張が正しいものだと確認したい欲求が、まずあります。
 その上で「自分たちがこれから何と、どう戦ったらいいのか?」を指示してくれるリーダーを求めます。

 ネトウヨ的愛国心とは「自身の行動を正当化するための方便」と言えそうです。
 パヨクの「○○な人たちが”かわいそう”」と一緒です。

愛国ビジネスの主張が、進歩「してはいけない」理由

 愛国ビジネスの著作を手にとってみると、10年以上前から主張が進歩していません。表現を変え、文章は変わっています。しかし本質は1ミリも、前進も後退もしていません。

 歴史学ですら日進月歩とまでは言いませんが、新たな事実によって変化したりします。愛国ビジネスがこうまで変化しないのは、理由が存在するようです。

 基本的に愛国ビジネスの顧客であるネトウヨは、思考が苦手です。物江潤氏の「ネトウヨとパヨク」でも、「対話不可能で論理的でない」と指摘されています。

 よって「主張が進歩してしまうと、顧客がついてこれなくなる」のではないでしょうか。昨今はネトウヨが、年齢層に関係なく広まっています。その中で購買力があるのは、高齢者でしょう。
 よって「変わらないこと」こそが、ネトウヨという顧客に安心感を与えるのです。

 ……ビジネスとして愛国ビジネスを分析してますが、なかなか楽なビジネスです。なんせテンプレートを覚えれば、延々と壊れたラジオのごとく繰り返せばよいだけです。

 自分の購入している商品がどのようなものか? ネトウヨもちょっと立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。

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