消費税増税とキャッシュレス・ポイント還元-政府の本当の思惑とは?

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 消費税増税が開始されて、はや1ヶ月が経ちます。消費税10%増税は、複雑な税制です。軽減税率やキャッシュレス還元は、一般の方には非常に分かりづらい仕組みです。

 キャッシュレス還元に期限がある、と知っている人はどれほどいるでしょう? これまで現金主義だった人が、キャッシュレス決済にチャレンジしています。

 キャッシュレス決済でポイントが還元される。そんな仕組みにしている、消費税導入国は存在しません。日本政府にはどのようなお思惑があるのか? 解説したいと思います。

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キャッシュレス・消費者還元事業の仕組みと期限

 キャッシュレス還元は正式には、キャッシュレス・消費者還元事業といいます。その仕組は、政府がまず決済事業者を募集・選定します。選ばれた決済事業者へ、中小店舗が契約をして端末や決済手段を提供してもらいます。

 消費者が対象店舗でキャッシュレス決済をすると、決済事業者が消費者にポイントを付与します。付与したポイントは後ほど、政府から補助される仕組みとなります。
 還元率は2~5%となっています。

 キャッシュレス還元の期限は、2020年の6月30日までです。

キャッシュレス還元の体裁上の理由

 キャッシュレス還元を取り入れた理由として、政府は「キャッシュレスの推進」「消費税増税での需要減の軽減」をあげます。キャッシュレス還元の予算は、”わずか”2800億円程度が見込まれています。この程度の予算で「消費税10%の需要へのダメージが軽減できる」のでしょうか?

 またキャッシュレス還元は、2020年の6月30日までです。ある意味で「小分けに増税がある」状況と変わりません。

 もう1つの理由はキャッシュレスの推進です。キャッシュレスを推進することで、生産性が上がるのだそうです。……本当に?

日本はキャッシュレス後進国!は嘘でした

 よく日本はキャッシュレス後進国といわれます。その際には必ず、以下のようなグラフが見られます。

世界のキャッシュレス化の割合のグラフ
世界のキャッシュレス化の割合

 だがちょっと待ってほしい。日本は第10位ではないですか。ドイツより進んでいます。世界経済で10位の国家を、皆さんは「後進国」と呼びますか?
 ……と思って2018年のGDP第10位を調べてみたら、韓国だった件(笑) 特定層は呼びそうな気が(汗) でも11位はカナダです。カナダは「後進国」でしょうか?

 またキャッシュレス決済で生産性が上がる、というのもなかなか疑わしい。なぜならドイツは、日本よりキャッシュレス化が進んでいないにもかかわらず、日本の1.5倍程度の労働生産性です。
 キャッシュレス化と労働生産性には、因果関係どころか、相関関係すらないのです。

 「キャッシュレス化で生産性が上がる!」等々の、キャッシュレス化推進の言説は事実に基づいていません。とすると……キャッシュレス化で誰が得をするのか? を考えなければなりません。

誰が一番得をする?と考えると実態が見えてくる

 キャッシュレス還元で、多くの人が「少しでも安くなるなら、キャッシュレス決済をしよう」とチャレンジしているのではないでしょうか。
 中小店舗も「消費税増税のダメージを、少しでも軽減できるなら」と決済事業者に申し込みをしています。

 消費者が得をするのは9ヶ月間。中小店舗は損をしないことで精一杯。では誰が得をするのか? 決済事業者に決まっています。
 キャッシュレス還元の期限が終わっても、決済事業者から提供されたキャッシュレス決済の端末やサービスを、解約する中小店舗がどれほどあるでしょう。まず、解約しません。

 2020年6月以降は、キャッシュレス決済も現金払いも変わらなくなります。しかし一度キャッシュレス決済をした人は、キャッシュレス決済を使い続けるでしょう。
 キャッシュレス決済終了後も得をするのは、決済事業者だけです。

 キャッシュレス決済を強力に提言した1人は、かの竹中平蔵氏です。20018年あたりから、様々な記事でキャッシュレス化に言及しています。
 2018年7月には一般社団法人キャッシュレス推進協議会が設立され、経済産業省を中心に産学官で、キャッシュレス社会を実現するという趣旨です。

 しかしキャッシュレス還元はどう考えても、税の公平性に違反しています。応能負担でもなく、応益負担でもありません。
応能負担:担税力(税金を担える能力)に応じた租税負担
応益負担:政府が提供するサービス利用率(応益率)によって、租税を負担する

 キャッシュレス還元の思惑とは、産学官および政府のレントシーキングに他ならないのではないか? その将来はアメリカのように、金融業界が牛耳るコーポラティズムではないか?
 消費税増税というショックの中で、ショック・ドクトリンを実現しようとしているのでは?

 上記のように、問題提起をしておこうと思います。

 上記の記事も、よろしければどうぞ。

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黄昏のタロ

お邪魔いたします。

> キャッシュレス還元の思惑とは、産学官および政府のレントシーキングに他ならないのではないか? その将来はアメリカのように、金融業界が牛耳るコーポラティズムではないか?
> 消費税増税というショックの中で、ショック・ドクトリンを実現しようとしているのでは?

 脱税対策とも言われてるです。悪意のない申告漏れまで含めると消費税2~3%相当って試算も見かけたです。
 現金商売だと消費税を含めた税金を誤魔化そうと思えば誤魔化せてしまうです。現段階でキャッシュレス決済を導入する方々は誤魔化す気は無いでしょうけど。

 領収書を発行しないとか、レジを打たない。店主が税のがれをするとか、従業員がポケットに入れてたり。キャッシュレス化が進むと決済の為にレジを打たない訳にはいかなくなるです。
 カード会社に記録が残る取引になり、所得税や消費税が追跡できるようになっちゃうです。

 ネタ元は忘れちゃいましたけど、キャッシュレス化は腹黒いと思ってたです。ポイント還元を餌に、しっかり消費税を納税させるです。
 マイナンバーもそうですよね。架空の人に給料を払うとか、架空の会社に支払ったりが出来なくなるです。

 おいら、いちおう個人事業主ですけど、誤魔化したいって何度も思ったです。やってないですよ。

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