GSOMIA(軍事情報包括保護協定)を韓国が破棄-日韓関係と中国の影

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 GSOMIA(ジーソミア 軍事情報包括保護協定)を、韓国が破棄することになりました。8月23日に表明し、今年の11月23日に破棄となるようです。

 外交関係の有識者、そしてアメリカもこの事態に強い衝撃を受けています。日本国内でも、GSOMIA破棄に対して様々な見解が出ています。
 曰く「文在寅は外交音痴」だとか「普通はやらない暴挙」だとか。

 なるほど、暴挙や外交音痴のせいとすれば、それ以上深く考えなくてすみます。ネトウヨのように「韓国がバカだから、GSOMIAを破棄した」と思えるのですから。
 しかし本当にそうでしょうか?

 安全保障の根幹は「危機管理」です。危機管理とは「常に最悪を想定すること」です。GSOMIAはまごうことなき、安全保障関係。
 最悪を想定しつつ、解説していきます。

 結論としては、韓国は完全に中国よりに立場を変えたのでは? というものです。

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GSOMIA(ジーソミア 軍事情報包括保護協定)とは?

 wikiによれば「同盟など親しい関係にある2国あるいは複数国間で秘密軍事情報を提供し合う際、第三国への漏洩を防ぐために結ぶ協定」がGSOMIAです。
 端的に表現すれば「軍事上の秘密を共有するんだから、お互いに他の国に漏らさないようにしようね」ということ。

 日本は現在、7カ国とGSOMIAを結んでいます。アメリカや、アジア地域ではインド、韓国とです。韓国とのGSOMIAは、11月23日で失効予定です。

 日本はアメリカと日米安保を結んでいますし、韓国はアメリカの同盟国です。
※日米安保は、厳密には軍事同盟ではない
 2016年まではアメリカを通して、日韓は軍事情報をやり取りしてました。

 日韓のGSOMIAは日韓秘密軍事情報保護協定といいます。2010年の民主党政権時、前原外務大臣が提案し、2011年に会合が持たれました。
 2012年に締結直前まで行ったものの、韓国政府が公開すると韓国国内で反発が激化。締結1時間前に、韓国側からの要請で延期となります。

 2016年の安倍政権で、正式に日韓秘密軍事情報保護協定(日韓GSOMIA)が締結されます。

 徴用工問題に端を発した、日韓関係の悪化により8月23日。韓国がGSOMIA破棄を正式に通告しました。

日本政府とアメリカに走った衝撃-韓国のGSOMIA破棄

 ピーター・ナバロは8月16に時点で「韓国がGSOMIAを破棄するはずなどない」と語っていたようです。
参照:GSOMIA破棄は「韓国が中国陣営に加わるということ」 | ニッポン放送 ラジオAM1242+FM93

 上記によれば、トランプが韓国のGSOMIA破棄に言及したのは、8月26日のG7だったそうです。
 あのツイート王のトランプが、8月23日から3日間も沈黙していた。不思議ではありませんか?

 アメリカ議会でも、韓国のGSOMIA破棄は衝撃と驚きを持って、受け止められているようです。自民党の会議でも、様々な反応が出ています。

 出席議員は、冷静に分析するだけでなく「日本はおかしくないと海外に説明する努力が必要だ」「情報戦で負けているのではないか」などと注文をつけた。
(中略)
 一方、GSOMIA破棄の日本への影響について、政府側は「影響はない」との見方を示した。

参照:韓国GSOMIA破棄、自民会議で批判続出 政府にも注文(1/2ページ) – 産経ニュース

 なぜこれだけ衝撃を持って、韓国のGSOMIA破棄が受け止められるのか。

なぜ韓国のGSOMIA破棄が暴挙といわれるのか?徹底解説

 簡単に東アジア周辺の、国際情勢を見ていきましょう。

  1. 中国の台頭と、ロシアと中国の接近
  2. 北朝鮮にすらなにもできない、アメリカの凋落
  3. バランス・オブ・パワーを崩す、日本というアメリカの属国

 ここにもし4.韓国という緩衝地帯の消失が入れば? 一気に東アジアにおけるプレゼンス存在感をアメリカは失い、中国がプレゼンスを増すことになります。

 韓国のGSOMIAの破棄は「アメリカや日本の、東アジア戦略において暴挙」なのであり、逆から指摘すれば「中国やロシアにとっては、快挙」です。
 二虎競食の計――日韓の離間策、最終的に米韓の離間が狙い――というわけ。まあ……日本も韓国も「猫」かもしれませんが。

 また韓国にしても、すでに経済では中国に大きく依存しています。

 ネトウヨからよく「日本がいないと、韓国経済はやっていけない!」という主張を聞きますが、その前に「中国がいないとやっていけない」のですよ。

 輸入先(自国が欲しい物を買う相手)はある程度、選択できます。技術はいつか、漏れるものです。
 しかし輸出先(お客さん)は選択が、なかなか難しいでしょう。

 こうした観点からも、すでに韓国では日米より中国の比重が高いと見るべきです。
 したがって、長期的に見れば韓国は中国に与するのは、ほとんど必然でしょう。

 結果、アメリカの凋落はより一層明確になります。その属国たる日本も、当然ながら巻き込まれるのです。

韓国から在韓米軍が撤退するXデイの可能性

 まず大前提として、東アジアは核の宝庫です。中国、ロシア、北朝鮮が所持しています。アメリカは代理戦争ならともかく、核所有国と戦争は不可能です。
 相互確証破壊が働くからです。
参照:相互確証破壊 – Wikipedia

 韓国にとって経済は、中国に依存してます。また地政学的に遠いアメリカより、中国の脅威が高い。したがって、中国の覇権勢力に入ってしまったほうが、安全保障面でも安心できます。

 そしてアメリカが凋落し続けている。

 韓国から在韓米軍が撤退する日が来る可能性は、非常に高いでしょう。10年以内にそうなったとしても、私は驚きません。
 その端緒が、GSOMIAの破棄だと思われます。

 韓国のGSOMIAの破棄に対して、安全保障の専門家たちは沈黙しているようです。
参照:GSOMIA終了が暗示する「不確実性の時代」:日経ビジネス電子版

 筆者が最も懸念しているのは、韓国政府の判断ミスの有無よりも、米韓外交・安全保障問題の専門家の多くが今も沈黙を守っていることだ。

 なぜか? これまでのアメリカの世界戦略が崩れたことを、韓国のGSOMIA破棄が示すからです。
 安全保障の専門家だからこそ「これ、ヤバくね? 朴槿恵パククネ? あ、文在寅だった……」と、衝撃と恐怖を持って、事態を受け止めたのではないか? と思います。
 ある種、パニクっているのかもしれません。

GSOMIA報道に見る、平和ボケ国家日本

 先程の、自民党と政府の反応を見てみましょう。
参照:韓国GSOMIA破棄、自民会議で批判続出 政府にも注文(1/2ページ) – 産経ニュース

  1. 海外に「日本はおかしくない」と説明しなければ!
  2. 情報戦で日本は、負けているのではないか?
  3. 政府:「直ちに影響はない」

 ワハハ! と笑わないほうが無理というもの。海外に説明して、どうするのと。情報戦で負けているのは、いつものことでしょと。
 そんなことより、もっと最悪の事態がすすんでいる「かもしれない」と、どうして想定すらできないのか。

 政府はまぁ……ここまで来てしまった経緯を置けば「影響はない」と強弁せざるを得ないのは、理解できます。
 が、経緯はいただけません。

  1. 徴用工問題が勃発
  2. 日本が輸出規制で、経済圧力をかける(日本が経済カードを切る)
  3. 韓国が軍事カードを切る(韓国のGSOMIA破棄)

 こうなると日本に切れるカードは、なくなります。あまりに、お粗末ではないでしょうか?
 解決策は1つです。「富国強兵」を目指すしかありません。

 もっとも、現在の平和ボケ具合を見ていると「取り返しがつかなくなるまで、平和ボケのままなのでは……?」と不安ではあります。

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阿吽

韓国のGSOMIA破棄は、実質的には反日を隠れ蓑にした反米ですからね・・。

朴槿恵政権までは、独裁国家(中国)の影響下に入るのは、ギリギリの所でよしとはしていなかったですが・・、ムンジェイン政権はもう完全にポピュリズム的な性格、もしくは民族主義的な性格を隠していません。
(まあ、とうの韓国人も、ムンジェインさんがポピュリズム的で民族主義的だとは理解してはいないでしょうが・・)
(私は山本太郎さんとかはポピュリズム的とは思いませんが、ムンジェインさんはポピュリズム的だと思います)

んーー・・・、この状況は、日本史的には白村江の戦いで敗れて、朝鮮半島から当時の日本軍が完全撤退して、日本政府が半島への影響力を完全に失った時と、しいていえば似ているでしょうかね・・・?

(場合によっては当時よりも状況は最悪でしょうが・・)

阿吽

>日本の影響力というより、アメリカの影響力(神通力)が失われているような?

ああ、そこはですね・・、

私の解釈としては、アメリカは日本国が本来果たすべき軍事行動を(結果として)代替しているという解釈なので、この場合は、日本国が本来果たすべきだった軍事行動=在韓米軍という解釈で文章を書いています。

ですので、白村江の戦いの敗北による半島からの当時の日本軍の完全撤退と、ここでは少々かぶらせたのです。

米軍は本来、日本軍がすべきだった動きを東アジアでしているだけなので(おそらく)・・、それがなくなる=半島での影響力の完全消失が・・、白村江の戦いの敗北での日本軍の完全撤退と、半島での影響力の完全消失という古代の事案に似てないかなあと、思った次第なのです。(結果論ではありますが・・)

阿吽

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