日米貿易協定の交渉成果は?押し込まれた日本、喜ぶトランプ

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 日米貿易協定が9月に合意される見通しです。
 報道で政府は「TPP水準だ」胸を張りますが、実態はどうなのでしょう?

 しっかりと今回の日米貿易協定を見るには、TPP議論にまで遡らないといけないでしょう。

 先に結論を述べましょう。
 「TPP水準だ」の意味はどう考えても「TPPで農業が打撃を受ける」「日米貿易協定は、それ以上に酷くならなかった」、つまり「TPP以上に酷くならなかった」という意味です。
 サッカーで例えれば日本は「現在3対0で負けているが、それ以上1点もやらなかった」というもの。

 順を追って解説します。

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日米貿易協定の詳細な中身は出てないが、不利なものになったのは間違いない

 日米貿易協定の詳細は、まだ報じられていません。かろうじて「農産物はTPP水準」「トウモロコシを、日本が押し付けられた」「アメリカの自動車関税撤廃は、見送られた」程度の情報があるだけです。

 アメリカによれば、日本は7000億円もの農業市場を開放するようです。
参照:日米貿易協定の大筋合意/日本側の一方的譲歩で日本農業を破滅に追い込む/志位委員長が批判

 そしてトウモロコシですが……日本政府が購入するのではなく、民間が購入”させられる”のだそうです。これは愚民の王国 | 三橋貴明オフィシャルブログによれば、憲法22条1項の「営業権の自由」違反の可能性が高いとのこと。

 (2ページ目)“TPP水準”という茶番劇 欺瞞とマヤカシの日米貿易協定|日刊ゲンダイDIGITALでも、要約すると以下のように報道されました。
トランプ「トウモロコシを買ってほしい!」
安倍「民間も欲しいと言ってるので、協力できると思う(意味不明)」
トランプ「よく分からないが、日本の民間企業は政府の言い分をよく聞くんだろう(原文ママ)」

 上記報道では、米国産牛肉・豚肉の関税削減スケジュールはTPP以上とのこと。

TPPはそもそも、日本にとって不利なものだった

 政府が「TPP水準!」というのも、おかしな話です。

 前提知識として知ってほしいのですが、日本の国土は山が多いため、大規模農業に不向きです。オーストラリアやアメリカに、農産物の価格では勝てません。
 自国の食料自給率を支える農家を、破壊するかのような協定でした。

 アメリカが抜ける前のTPPは、GDPでアメリカと日本が9割でした。実質的な日米貿易協定だったのです。
 未だに大きな影響が出ていなかったのは、アメリカが抜けたからにほかなりません。

 アメリカの戦略は、簡単です。

  1. アメリカがTPPから抜ける! といっても、誰も文句を言えない
  2. 日本がTPPを締結する
  3. 2国間での貿易協定は、TPPが土台になるのでTPP以上の条件を、アメリカは日本から引き出せる

 政府が「TPP水準です!」というのも、「俺たち、TPP水準で頑張ったんだ」という言い訳です。
 「政治は結果責任©安倍総理」です。

 日米貿易協定で、日本の食料安全保障は大きく毀損されそうです。
 日米貿易協定の詳細が明らかになっていけば、「あれ? TPP以上じゃね?」となる可能性が非常に高いでしょう。

2012年に「TPP断固反対!」と自民党は言っていた

 2012年、自民党は「TPP断固反対!」と言っていました。

 「あのポスターは、北海道だけだ」という言い訳がありますが……安倍首相「TPP断固反対と言ったことは1回もございません」→国内外にばっちり言っていました | BUZZAP!(バザップ!)にある通り、自民党自体がTPPへ反対していたのです。

 なぜか? 上述したとおり、TPPが日本にとって不利だからです。
 では「TPP水準」の日米貿易協定はどうなのか? 当然、不利に決まっています。

なぜ日本は、TPP水準の日米貿易協定を結んだのか

 日米貿易協定は当初、自由貿易協定(FTA)ではなく、物品貿易協定(TAG)と強弁されました。アメリカの通商代表、ライトハザーの説明では「農産品」「工業製品」「デジタル取引」の分野で合意したようです。
 デジタル取引は明らかに、物品ではありません。

 安倍政権は国民に、嘘をついていたことになります。

 国民に嘘をついてまで、なぜ日米貿易協定を結ばなければならなかったのか?
 今回のG7サミットでトランプは、四面楚歌でした。イギリスにすら、やんわりと批判される始末です。

 「アメリカがピンチのときに、日本が手を差し伸べた」という見解は、ナイーブ幼稚に過ぎます。食料安全保障を売り渡して、軍事安全保障を買うことなど出来ません。
 先払いして、有耶無耶にされるのが世の常です。

 他国から見れば、日本の対米従属ぶりが際立ったことでしょう。本質は、日本がアメリカに依存していることにあります。
 したがってアメリカから要求されれば、断れないというだけの話。

日米貿易協定は、継続交渉となる可能性が高い

 アメリカにすれば、日本はカモがネギを背負っているようなものです。9月の日米貿易協定交渉が「最終到達地点」とは限りません。
 先に合意しやすいものだけ合意し、残りは「継続して交渉する」と要求される可能性は高い。

 なぜなら、すでに日本は「アメリカへの譲歩」をしてしまいました。たった半年間で譲歩する日本に対して、アメリカがさらなる要求をするのはほとんど必然です。
 もっとも、日米貿易協定交渉とは別口かもしれませんが。

日米貿易協定の結果をまとめてみる

  1. アメリカの自動車関税の撤廃はなし
  2. 農業分野について「TPP水準(か、それ以上)」の負け
  3. 日本がアメリカから勝ち取ったものは「ない」ので、安倍総理もコメントしない
  4. 日米貿易協定は物品貿易協定ではなかった
  5. さらに、日本が継続交渉させられ押し込まれる可能性は高い

 これによって、以下のような影響が懸念されます。

  1. 日本の農業がダメージを受けるのは避けられない
  2. 食料安全保障が低下する
  3. 世界各国に、対米従属ぶりを示した安倍政権に、これからまともな外交など無理(そもそも、最初から出来ていないですが……)

 先の参院選でも、自民党は勝利しました。国会でも、日米貿易協定は批准されることでしょう。

 参院選前にトランプが、なんと言っていたか覚えてますか?
「(日米貿易協定交渉で)8月には良い発表ができる!」

 そして今回、報道によればトランプはご満悦のご様子。安倍政権がトランプに、全く抵抗していかなった証左です。
 なぜ参院選後まで待ったのか。参院選前に「日本国民にバレる」と、選挙が不利になるからに決まっています。

 かくして日本国民は、自国の政府である安倍政権にまたしても「だまし討ち」されたのでした。

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Muse

>なぜ参院選後まで待ったのか。参院選前に「日本国民にバレる」と、選挙が不利になるからに決まっています。
 かくして日本国民は、自国の政府である安倍政権にまたしても「だまし討ち」されたのでした。

確かに、だまし討ちには違いありませんが、上記の道理(それから年金財政検証の公表先延ばしも全く同じ道理)ははっきり言って誰でもわかるような単純なものだった(逆に言えば、国民はここまで安倍政権からコケにされていたということ)。それにもかかわらず、参院選では性懲りもなく多くの有権者が自民党に投票したか、棄権したのです。例えれば、高齢者が稚拙な手口の振り込め詐欺にあっさりと騙されて金をふんだくられたようなもの。

個人的な思いとして、最近は安倍政権に対する怒りよりも、こんな政権をいつまでも野放しにして平然としている日本国民に対する怒りのほうが相当募っています。いつぞやか、「保育園落ちた、日本死ね!!!」と題したブログが話題になりました。当時は、「題名が間違っている。日本死ね!ではなく、自民党死ね!か安倍晋三死ね!と言うべきだろう」と思っていましたが、「日本国民=日本の主権者=日本そのもの」だとすれば、アホな日本国民死ね!と言いたくなる気持ちもわからなくもないです。

それからついでに言えば、トランプやプーチン、金正恩などからコケにされまくっているのが安倍晋三、そして安倍政権からコケにされまくっているのが、わが日本国民。あまり言いたくはありませんが、日本国民が一番アホだということになりますね。

過激なコメント失礼しました。

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