1~3月期GDP速報で外需ズタボロ・民需も減少 消費税増税など論外

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 2019年1~3月期のGDPの速報が出たようです。実質GDPで年率換算2.1%増と一見よいように見えますが……。

 結論だけいえば「輸入減によるGDP増加」に他なりません。悪いGDP増加、といえます。

 まずはGDP速報の詳細をご紹介してから、現在の景気がどのような状態か? を分析し、消費税増税に耐えうるのか? 結論を出したいと思います。

時間のない人へ、ざっくりまとめ

  • GDP年率換算2.1%プラスであるものの、寄与要素ほとんどが”輸入の減少”
  • デフレ脱却いまだできず。実質賃金は6年間でプラスの月が24か月未満
  • 消費税10%増税で日本は後進国化への、直接的な引き金を引く
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GDP速報値の中身はズタボロ

 2019年1~3月期のGDP速報値は実質GDP年率換算で+2.1%、名目GDP年率換算で+3.3%となったものの、内容はひどいものです。
参照:2019年1~3月期四半期別GDP速報 (1次速報値)(内閣府)

 民間最終消費支出、設備投資もマイナス、輸出に至っては2.4%減で、基本的に各種項目を見ますと、良いところはありません。

 にもかかわらず、なぜプラス成長なのか? 輸入が4.6%減になっているからです。
※輸入減は、GDP増加要素

 簡単にまとめますと、輸出は世界景気の悪化で減少、内需もマイナスで振るわず、その結果として輸入減になったのでGDPがプラス成長しているように見える、ということです。

 個人で例えるなら、副業は振るわず、本業の所得もマイナス。したがって生活を切り詰めたら、貯金できる額が増えてしまった、というところでしょうか。
 端的にいえば貧困化です。

 内閣府で面白いデータを見つけたので、ご覧ください。

GDPの内外需別寄与度

 GDPの内外需別寄与度ですが、輸出が大幅マイナスなのに、ほとんど外需がGDP成長に寄与している、というデータです。
 これも輸入減が、結果としてGDPプラスという現象を引き起こした、との説明になります。

デフレは脱却できたか?景気はどうなのか?

 また先に結論だけ申し上げます。デフレはまったく、脱却できていません。

GDPデフレーター

 GDPデフレーターは相変わらず、上記のような状態です。内需、外需ともに減少している状態で、そもそもデフレ脱却など不可能です。

 安倍政権のアベノミクスとやらは、外需頼りの成長でした。しかし2019年は2018年に予測されていた通り、外需があまりよろしくない。
 米中も大型の公共投資などは実施してないようですし、外需は低迷ないし不調が続くのは明白です。

 したがって急速に、日本の景気は冷え込んでいくのでは? という予測すら成り立ちます。

現在の状態で、消費税増税に日本は耐えうるか?

 実質所得は3月、前年比2.5%減だったようで、3か月連続マイナスとなっております。
参照:3月の実質賃金は2.5%減、3カ月連続マイナス-毎勤統計 – Bloomberg

 衝撃的ですが、2013年4月~2019年3月までで、実質賃金が前年比プラスになった月は24か月未満です。3分の2の月は、実質賃金マイナスが続いているのです!

参照:【実質賃金】推移を図解|ニッポンの数字

 アベノミクスのGDP増加構造は、外需頼りになっています。別の表現をするのならば、内需アップ政策をやらず、”たまたま”世界経済が安定していたので、外需に押し上げられる形でGDPが成長したのです。

 さらに衝撃的な報道が一昨日、なされました。世界経済は貿易摩擦で脱線、「標準以下」の成長に-OECD見通し – Bloombergによれば、1995年~2007年までに世界経済の成長率は、4.1%が平均だったそうです。
 しかしリーマン・ショック以降の世界経済は、3%強しか成長していないとの報道です。

 上記の記事では、以下のように冒頭にまとめられております。

世界成長率予想を3.3%から3.2%に引き下げ、日本も下方修正

中銀に余力乏しい、行動するべきなのは政府-OECD

 端的にいえば、世界経済の見通しは暗いものです。
 そしてGDP速報値から見てきた通り、日本は緊縮財政をしていますので、内需も弱い。

 この状況で消費税増税を断行して、「大丈夫」と断言できるのは狂人か、嘘つきかのいずれかです。

 増税反対派の高橋洋一さんによれば、5月末が消費増税見送り表明デッドライン | プレジデントオンラインだそうです。
 今月中に「消費税増税見送り」が発表されなければ、消費税増税がなされる危険性は、大幅にアップすることでしょう。

2019年10月に消費税増税がされた場合の予測

 すでに軽減税率が可決されてますので、私は消費税増税がほぼ決定しているとみております。
 佐藤健志さんがおっしゃる、衆院解散でダブル選があるとして、総理が「増税断行」をあえて掲げる可能性はないのか? | 佐藤健志 official site ”Dancing Writer”という可能性すら、あり得ないとはいえません。

 そして上記の衆院ダブル選で「消費税断行」を掲げて、安倍自民党が戦った場合、勝利する可能性はかなり高い。

 反緊縮、積極財政派は「いやいや……増税に国民は反対するのでは?」と思われるかもしれませんが、それだったらそもそも5%から8%への増税も”されていない”はずですし、安倍政権の高支持率も説明がつきません。

 8%から10%への消費税増税は、日本経済に計り知れないダメージを与えることでしょう。その要素は以下です。

  • 軽減税率は所得移転政策で、消費性向が低いと予測される
  • 「税の顕著性」という心理的働きにより、個人消費は大幅に抑制される可能性が高い
  • 設備投資などの企業活動も抑制されるので、将来にわたって影響が大きい
  • 企業の投資抑制は、イノベーションの抑制と同じであり、日本の技術は凋落していく
  • 税率を維持し続ける限り、マイナスの経済効果は永久に持続

 端的にいえば、20年後の日本は後進国程度に凋落する”直接的な”引き金が、今回の消費税増税であると思います。
※根源的な引き金は1990年代後半に、すでに引かれております。

 短期的には、GDPで2~3%ほどマイナスの経済効果が働くのではないか? と思われます。

 最後に余談ですが、世論はどうなっているのか? 消費増税賛成45%、反対48%…読売世論調査 : 選挙・世論調査 : 読売新聞オンラインによれば、4月末時点で消費税増税の賛成、反対は均衡しているとのこと。

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