大阪都構想ダブルクロス選は選挙の私物化-大手メディアの社説は否定的


大阪都構想に向けたクロスダブル選

 ついに大阪維新は、公明党との協議が決裂し、松井大阪知事、吉村大阪市長が辞任したようです。4月7日の地方統一選とともに、知事、市長選も行われ、投開票される予定です。

 時系列で私が記憶している経緯を、箇条書きにしておきます。――と、その前に藤井聡京大教授がFacebookで今回のことを解説されておられました。
【藤井聡】「投げ出しスワップ選」とは一体何なのか? ~『都構想』を巡る実践政治学分析~
 なるほど……クロスダブル選ではなく「投げ出しスワップ選」かも知れません。その本質は「政治を投げ出して、互いの立場を”交換する”」という不真面目選挙ですから。
 ――大阪人はこんなええかげんな奴らに、ホンマに大阪の政治まかせてええの? 俺はイヤや。
 明確に今回の事態を言語化された、藤井聡京大教授に敬意を払います。うん、俺かてモヤモヤしながら言語化作業しとってん。大阪都構想の経緯を。
 ――大阪弁になりました、申し訳ない。私の記憶に沿って、大阪都構想がどのような経緯だったか? を書きましょう。

  1. 2015年1月 衆院選の協力をちらつかせられ、公明党が大阪都構想は反対、住民投票は賛成という態度に転じる。これ以前、市議会で大阪都構想は否決されている
  2. 2015年1月末ごろから、藤井聡京大教授筆頭に学者や教授から大阪都構想に批判の声。メディアは総じて大阪都構想を好意的に報じる
  3. 私も大阪都構想に反対の意見を、様々なところで書き始める
  4. 2015年5月 住民投票。130万票中、11000票の僅差で大阪都構想は否決される
  5. 2015年11月 大阪ダブル選で松井知事、吉村市長が当選。大阪都構想がまたもゾンビのように蘇る
  6. 2019年現在 大阪維新、公明党が決裂し大阪クロスダブル選が4月7日予定

 基本的に大阪維新は、大阪都構想にしがみついているのが現状です。大阪都構想という大きなイシューがなければ、大阪維新は自身の求心力が低下すると思っているのでしょうし、そのとおりです。なぜなら、大阪維新には大阪都構想以外には大した政策が1つもないのですから。

大手新聞社などは2019年大阪都構想をどのように報じているか?

 新聞社は、今回のクロスダブル選――吉村市長が大阪府知事に立候補し、松井知事が大阪市長に立候補――をどのように報じているのでしょうか?

大阪ダブル選へ 奇策で都構想は前進するのか : 社説 : 読売新聞オンライン
 同じポストに出馬すると、任期は知事が11月、市長が12月までだが、入れ替われば4年確保できる。首長は行政のトップとして、政策を継続的に推進する責務がある。自らの都合でポストを交代する手法は批判を免れまい

社説 大阪ダブル選 市民置き去りの身勝手さ | 信濃毎日新聞[信毎web]
 肝心の市民が蚊帳の外に置かれている
 松井一郎大阪府知事と吉村洋文大阪市長が大阪都構想の協議停滞に業を煮やし、そろって辞職願を提出した。
 入れ替わって松井氏が市長選に吉村氏が府知事選に立候補し、都構想への民意を問うという。同じ日に投開票される府議選、市議選でも過半数を握り、構想の実現を図る腹づもりらしい。
 目的のためにはなりふり構わない、ということか。選挙と二元代表制の趣旨をはき違えている。

(社説)大阪ダブル選 住民不在の党利党略だ:朝日新聞デジタル
 こんな異例の選挙が行われることになった。住民の審判を仰ぐと言うが、同日となる見込みの大阪府議選と市議選にのぞむ党の仲間を後押しする狙いがある。住民不在の党利党略と言うしかない。

社説:大阪知事・市長の策略 地方自治への二重の背信 – 毎日新聞
 知事や市長の地位を駆け引きの道具にする。そのうえに、両方のポストの任期を十分に確保するために入れ替わって出馬する。そんな策略は、地方自治制度に対する二重の背信と言わざるを得ない。

 大手新聞社では朝日、読売、毎日の社説は見つかったのですが、産経のみがまだ社説を出していません。朝日、読売、毎日などの大手新聞社の社説は、今回のクロスダブル選におおよそ批判的な社説が出ていました。

 なぜこのように、報道で批判的な意見が相次ぐのか? について論じてみたいと思います。

大阪都構想クロスダブル選は選挙の私物化

 大阪都構想がメリットのない、空っぽの構想である、大阪市解体構想であるという点は、私のブログにてさんざん申し述べてきました。
検索: 大阪都構想 – 高橋聡オフィシャルブログBacchus(バッカス)-反グローバリズム&LIFE

 今回のクロスダブル選は、以前は大阪都構想を好意的に報道していた新聞社からも、批判されるのでしょうか?

 第一に、奇策すぎるという点。府知事、市長が入れ替わってのダブル選など、「話題作りのためと、党利党略」が見え見えすぎて、拒否反応を起こしたのでしょう。
 大阪府、大阪市住民がこれでも「大阪維新がいいの!」なんて言うのなら、大阪はもはや終わっています

 第二に一事不再議の原則を無視していることです。選挙結果は「とりあえずの結論」に過ぎない。大阪都構想を問い直して良い理由 (1/2)ではおときた駿さんが、「住民投票もとりあえずの結論なんだから、時間が経てばOK」と仰っていますが、まだたった4年でっせ?
 しかも大阪都構想の内容は、前回2015年の5区案→4区にしただけという、非常に不真面目なものです。
 これが通るならもはや、政治なんて「なんでもあり」です。これが選挙の私物化でなくて、なんなのでしょう。

大阪維新の失敗と追い込まれ方

 今回のクロスダブル選に対して、大手新聞社が否定的というのは大阪維新にとって誤算でしょう。大阪維新としては、クロスダブル選というもので話題をかっさらい、それに便乗して地方統一選で大阪市議会の過半数を得ようと目論んだはずです。
 ちなみにこのクロスダブル選の提唱者は、あの橋下徹です。

 いくつかの報道を見ていますと、橋下徹のかつての求心力は、もはやないようです。講演会などでも席が7割程度埋まるだけ、という人気の凋落具合なのだそうです。
 そして全国区の国政政党としても、大阪維新の人気はもはや存在しません。
 【図解・政治】政党支持率の推移:時事ドットコムによれば、日本維新の会の支持率は共産党より下です。

 国政政党としてはもはや立ち直りをはかれず、本拠地の大阪で大阪都構想を押し通して挽回したい、という大阪維新の会の思惑が透けて見えるようではないですか。
 だからこそ、クロスダブル選という”奇策”に出たのですが、大手新聞社からは批判的な社説が掲載され、逆効果になりかねない状況です。

 所詮、橋下徹人気だけで戦ってきた政党であり、むしろクロスダブル選は大阪維新が追い込まれているから、と解釈して良いのでは? と思います
 大阪府、大阪市の住民の皆さん。ぜひとも来る4月7日の地方統一選では「大阪維新の議席を3割は減らす」と「大阪府知事、大阪市長ともに大阪維新以外」を目指して投票してください。

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阿吽

選挙の明暗は・・、大阪市民の爽快度指数が4年前よりもどの程度あがっているかが、ポイントですかね・・・。

気になるのが、ネット右翼の様子です。ネット右翼は爽快の最前線を走るもの(と定義してもいいかな?)ですが・・・、そのネット右翼が、今回の大阪都構想にそれほど拒否感を今回、しめしていないのです。

4年前の時は、結構、爽快の最前線・ネット右翼のなかでも・・、これが意外と反橋本が多かったのです。(橋下徹みたいな胡散臭いやつの言い分を信用できるのかみたいな感じで)

しかし、どうにも今回ネット右翼の中でそういう雰囲気をあまり感じない・・。(左記の実感は、私が個人的に感じたもので、絶対とは言えないものではありますが・・)

爽快の限界値が、4年前より上昇しているんじゃないかというのが・・、個人的には気になるところですね・・。

ただまあ、大阪市民の爽快度がもし、4年前よりも上昇しているようならば・・、それは必然、日本国民全体の爽快度も、4年前よりも上がっているということでしょうけどね・・。


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