沖縄県民投票反対が7割-辺野古移設しか道がない、は本当か?

沖縄県民投票で、辺野古移設7割が反対

 先日、沖縄県で県民投票が行われ7割の沖縄県民が、反対に票を投じたそうです。一方で県民投票に法的拘束力は発生しないので、政府は辺野古の工事を今も進めているとのこと。
 本当に辺野古移設しか道がないのでしょうか? 本日は軍事的、政治的、国際的観点から「辺野古移設は本当に正しいのか?」を検討したいと思います。

政治的観点から、普天間→辺野古移設は正しいのか?

 政治的観点からまずは論じてみましょう。辺野古に基地を建設すれば、普天間基地は返還されるのかどうか? じつはこれ、何の保証もありません。

 翁長氏は、5年以内の運用停止について質問。「“辺野古”ができれば“普天間”は返還されるという話なら、“辺野古”ができるのに10年かかるのだから“5年以内”は(話が)符合しない」と述べました。

 その大前提の“辺野古新基地ができれば普天間飛行場が返還される”という話自体が、稲田朋美元防衛相の国会答弁(6月6日と15日の参院外交防衛委員会)で否定されていると指摘しました。

 「何回も国会答弁書を読んだが、民間設備(民間空港)使用ができなければ普天間は返還できないと、(稲田氏は)言っている。民間空港とは那覇空港のことではないのか」とさらに追及しました。

 小野寺氏は「辺野古完了後、普天間返還はゆるぎない」と弁明を繰り返す一方で、返還8条件について「中身を米側としっかり協議していない」とあいまいさを露呈しました。

「新基地建設で普天間返還」は本当か/防衛相、確答せず 沖縄知事と会談(赤旗)

 上記の引用に基づけば、普天間から辺野古への移設ではなく、じつは「辺野古新基地建設」がその実態なのです。
 いろいろ調べますと、普天間の返還には民間空港の利用、そして辺野古基地にアメリカ側がクレームを付けないことが条件のようです。もう少し詳しい解説をしている記事も見つけました。
 普天間の返還は条件つき 辺野古は代替施設ではなく新基地か – ライブドアニュースでは以下のように書かれています。

稲田朋美防衛相(当時)は、17年6月の参院外交防衛委員会で「米側との具体的な協議やその内容に基づく調整が整わないことがあれば返還条件が整わず、普天間飛行場の返還がなされない」と初めて明言した。答弁の根拠は、日米両政府が13年4月に合意した「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」で、同飛行場の「返還条件」として以下の8項目を列挙している。

(1)海兵隊飛行場関連施設等のキャンプ・シュワブへの移設
(2)海兵隊の航空部隊・司令部機能及び関連施設のキャンプ・シュワブへの移設
(3)普天間飛行場の能力の代替に関連する、航空自衛隊新田原基地及び築城基地の緊急時の使用のための施設整備は、必要に応じ実施
(4)普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善
(5)地元住民の生活の質を損じかねない交通渋滞及び関連する諸問題の発生の回避
(6)隣接する水域の必要な調整の実施
(7)施設の完全な運用上の能力の取得
(8)KC-130飛行隊による岩国飛行場の本拠地化

 これでは沖縄県民が反対するのは、当たり前というものです。

軍事的に沖縄の基地負担はしょうがないのか?

 よく見る俗説で、「アメリカ海兵隊は緊急時に出動するのだから、地理的条件としては沖縄しかない」というものがあります。これもじつは、真っ赤なウソです。
 2024年~2028年にかけて沖縄の在日米軍は縮小され、グアムに移転が計画されています。これはアメリカ自身が「特に沖縄でなくても良い」と判断しているわけです。
参照:在沖縄海兵隊、グアム移転「24~28年」 米軍司令官証言(日経)

 ついでに申し上げますと、在日米軍の司令官が過去に「別に沖縄である必要はないが、沖縄に基地が整備されてるから沖縄なだけ」という発言もしていたりします。
参照:米海兵隊駐留「沖縄でなくても良い」 前太平洋軍司令官(朝日)
 沖縄の基地負担に、軍事学的な根拠というのは殆どないのです。沖縄でなければならない、というわけではありませんでした。

 ではなぜ「地理的条件で、沖縄しかない」という真っ赤なウソが、まことしやかに語られるのか? 非常に憂鬱な話ですが、本土が基地負担をしたくないので、このようなウソがまかり通っているとしか思えません。

辺野古新基地建設への反対は沖縄県民のみならず、日本人なら当然

 政治的、軍事的に辺野古新基地建設を論じてきましたので、ポイントをまずはまとめましょう。

  1. 辺野古新基地建設をしても、普天間基地は返還される保証はない
  2. 在日米軍自身が、特に沖縄でなくても良いと明言している
  3. よって沖縄の基地負担は不当なものである。本土が負担したくないから、俗説が語られているだけ

 これだけでも、沖縄県民が反対する理由は十二分に理解可能です。しかし……反対する理由にはもう1つ決定的なものがあります。

 在日米軍基地は日米安全保障条約に基づいたものですが、日米安全保障条約は「軍事同盟」ではありません。日本では日米安全保障条約はしばしば「日米同盟」などといわれますが、これも真っ赤なウソ。
 軍事同盟とは「双務的」である必要があります。日米安全保障条約のどこが、双務的なんでしょう? 軍事同盟の定義は以下です。

軍事同盟(ぐんじどうめい、英: military alliance)とは国家目標を達成するために、2つ以上の国が、軍事上の義務を伴った条約に基づいて提携することである。軍事上の義務を伴わない提携関係は協商と言う。 (wiki)

 軍事上の義務とは基本的に、自国の軍隊が同盟国への義務を果たすことであり、基地を建設することではありません。
 日米安全保障条約とは、軍事同盟ではないのは明白です。では日米安全保障条約とはなんなのか? 端的に言ってしまえば「属国条約」です。
 在日米軍が「日本にいて守ってくれる」のではなく、在日米軍が日本の一部を「占領している」のが実態です。

 その証拠に外務大臣がロシアとの北方領土の交渉で、ロシア側に「北方領土を返還したら、そこに在日米軍基地ができない保証は?」と聞かれ、「保証はできない」と答えました。
 これは在日米軍基地をどこに作るか? ないしどこに作らせないか? の決定権が「日本にはない」と明白になった瞬間でした。

 日本に基地建設の決定権が存在しないのに、他国の軍隊が日本にいること。これを通常は「占領軍」と表現します。沖縄県民は「アメリカに占領されている現状を、良しとしない」という意志を、今回の県民投票で示したと言えます。

 占領軍に反対し、追放したいと思うのは「日本人なら当たり前」なのですが、自称保守や右派は日米安全保障条約を後生大事にしております。「日米同盟」「沖縄の地理的優位」と真っ赤なウソをつき続けながら。

日米安全保障条約はもういらない

 すぐに必要ない! とまでは言いませんが、日米地位協定の改正くらいはしてしかるべきです。基地建設の決定権くらい、取り戻すべきでしょう。米軍が申請して、日本政府が許可するかどうか決定する、という仕組みが絶対に必要なはずです。

 日本は敗戦後――終戦では断じてない――、ひたすらに富国弱兵路線を続けてきました。しかし現在では富国も、失われた20年で決定的に無理になり、「貧国弱兵」になりつつあります。
 なぜ富国が無理になったのか? 弱兵なのに富国ということが、すでに矛盾しているからでしょう。貧国弱兵という経路は、敗戦後の無理な理想と平和”主義”が生み出した必然だったのです。

 ならばどうするのか? は自明であり、富国強兵路線への転換をしなければなりません。在日米軍という占領軍も、行く行くは拒否しなければなりません。もちろん、軍事同盟としての日米同盟が必要なら、日米安全保障条約を解消した後にでも結び直せば良いでしょう。

 ――私はその同盟相手が、アメリカであるという必要性は感じませんが。

 今回の沖縄県民投票の結果は、特段沖縄県が左派だからというわけではなく、むしろ占領軍を拒否するという非常に自然な感覚から生まれたものです。占領軍を拒否するとは、すなわち自然な愛国的態度とすら解釈可能です。

 むしろ日本の自称保守こそが、この場合は売国的態度と解釈されるでしょう。
 敗戦後の矛盾を見つめ直し、そろそろ正していかないといけないのではないでしょうか?

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阿吽

>――私はその同盟相手が、アメリカであるという必要性は感じませんが。

 軍事同盟かなにかは、別として・・、私はある程度、アメリカとの同盟は必要だと思います。

理由は、中露2ヶ国を日本一国で封じ込めるのには無理があるかと思うからです。

私は最悪、アメリカに日本を裏切らせない方策として・・、最低限の米軍の駐留もやむをえないのではないかと思います。(もちろん、今の規模とは違い、最低限です)

(上記の裏切らせないも、アメリカに対し、日本に味方をさせるための方策というよりかは・・、最低限、アメリカが日本に対して利敵行為をしないようにさせるぐらいの方策・・、ということになります)
(日本にアメリカ軍がいようがいまいが、その戦争に参加するかどうかはおそらく米国議会しだいだからです)
(だからこそ、敵対しなけりゃ十分ぐらいの方策です。上記は。)

インド等、他の地域覇権国家との同盟も十二分に考えられますが・・、おそらくインドと同盟しても、敵対しないという保証ぐらいになれば御の字くらいのものではないかと思います。

理由は・・、地理的に、インドが東アジアに軍を展開させる意味がわからないからです。(ただし、大陸側から中国側に気持ち程度の圧力はかけてくれるかもしれません)

もしくは、インド・欧州・東南アジア・アメリカ・豪州(場合によってはアフリカも)の、広い範囲での軍事協力並びに軍事同盟が必要かとは思います。大陸国家封じ込めのための・・。

・・・ただし、上記は日本が核をあくまで装備しないことが前提です。

核を装備すれば・・、日本はある程度の地域覇権国家にはなれます。

米軍の駐留も、完全に必要なくできるかも、しれません・・。

(ただし、資源がないのでこの場合でも、ある程度の国際協調が必要となってくるかとは思いますが・・)
(もしくは、アメリカがアジアに完全に介入しないという前提でいくと・・、その場合、新生日本軍が、今までアメリカ軍が東アジアでやっていたことのすべてを、肩代わりするくらいの腹積もりは必要かとは思います)
(アメリカ軍が東アジアでやっていることは・・、本来は、日本軍がやるべきことをやっていただけなので・・)
(朝鮮戦争も、ベトナム戦争も、すべて、日本が本来やらなければならなかった戦争を、アメリカが肩代わりしたものと、私は考えます。)
(まあしかし、上記は、アメリカが大日本帝国という防共の防波堤をみずからがぶっ壊したせい・・、というのはありますが・・(つまりはアメリカの自業自得))

,
 ただし、日本が核を持つ場合は・・、本格的に、世界中への核拡散という最後の最後のタガを、日本国の手で、はずすことになるかもしれません。

その度胸が、もしくは・・、覚悟は・・、必要になってくるかもしれません。

まあ、統一韓国が、核保有国になった場合は・・、結構、核保有について議論しなければならなくなるかもしれませんが・・・。

エントリーと無関係ですが、ヤンさんおすすめの映画「帰ってきたヒトラー」を数日前に視聴しました。まあ、よくあんな手法を考えつくなぁと思います。演説するヒトラーに父性を感じてしまい、もう少しあのまま、現代のドイツ国民を叱りつけるお話を聞いてみたいと思わされました。それと、わんわんお……許せん(涙)。

選挙制度に関する進撃への寄稿、コメント付きませんでしたね^^ まあ、私は何か毎回コメントしますし、私へのコメント返しでラリーを続け、あれをシリーズ化するなんて案も。。。

阿吽

私としては・・、こういうのはどうでしょうか・・w

いやあ、話しの根幹が、今から中選挙区制に戻すのは難しいということが出発点だったので、これは書こうかどうか迷っていたのですが・・・、それは、中選挙区制で、投票権を1人2票とするというものなのです。(同一人物に2票は不可)

2人まで投票できるということで・・。

それは、中選挙区制で、複数候補が当選できるうえに・・、1人で2候補まで投票できれば・・、幅広く、民意を反映させた候補者を国会に送り出せるんじゃないかなあー・・と、思ったのです。

(結構、漫画の人気投票とかでも、読者1人3名まで投票できますよとか・・、最近はネット投票の漫画もありますので、こういうのもあるんですよね)(1人1票だと、どうしても人気キャラクターに投票が偏ってしまって、全体的な人気の分布がわかりずらくなるだろうという配慮と考えがあったのではないかと思うのです)

(それに、1人2票とかだと、投票した有権者の二倍が総得票数ですので、あとでの確認もしやすくなるんじゃないかなあ・・と、思ったのです)

阿吽

帰ってきたヒトラーは名作かと思いますが・・・、

じみに、ネットで見るヒトラーの空耳動画のシーンがパロディとして使われていたりして・・、あそこの場面にかぎっては、地味に映画館のあちこちで、笑いがこぼれていましたね・・ww

(結構、あの空耳動画のシーン、みんな知ってる人いるんだなあって思いました・・w)

日本だとあのシーンは、空耳動画で有名ですけど、本国でもパロディにされるくらいにはあのシーン、有名なシーンだったんですね。(知らなかった)

阿吽

すみません、上のコメに関しましては単純にミス※ですので、お手数ですが削除か見なかったことで、どうぞお願いいたします。
ヤンさん、皆様、失礼致しました。m(__)m

>空耳動画のシーン

「おっ○いぷるーんぷるーん!」の箇所ですね。私も「おっ(ニヤリ)」ってなりました(笑)。

阿吽

そこ、そこですw