

たむけんさんを罵倒したラーメン屋さんが炎上?
いつもどおりグーグルニュースを見ておりますと、どうやら炎上が起こっているようです。たむけん罵倒ラーメン店、無言電話が1日1000件以上!「午前3時、4時ぐらいまで鳴りっぱなしです」(スポーツ報知) – Yahoo!ニュースから一部引用します。
(前略)
騒動のきっかけは、同ラーメン店が1月22日にツイッターで「先程『たむけん』さんが来店されました!」とつぶやき、たむらと記念撮影した画像をアップ。さらに、この投稿にリプライする形で「マイク、カメラなかったらおもろ無い奴でした」と投稿。すでに当該ツイートは削除されている。
(中略)
番組の取材によると、店は昨年1月に開業。ラーメンの学校で基礎を学び、飲食店で働きながら経営のノウハウを習得し、資金集めに奔走し開店にいたった。SNSについて店主は「あんまりSNSは触らなかったんですけど、自分が作ったラーメンがいろんなSNSに上げられていることに対して、最初は軽い気持ちでやっとったけども、だんだん、自分ものめり込んでいって、過激になったところは反省せなあかんところです」と明かしていた。
ふと文字筆者編集 たむけん罵倒ラーメン店、無言電話が1日1000件以上!「午前3時、4時ぐらいまで鳴りっぱなしです」(スポーツ報知) – Yahoo!ニュース
このラーメン屋店主の心理って、すごく理解できるんです。SNSや5ちゃんねる等々って、いいね!やリツイートをもらえたりすると嬉しいんですね。でも、それを貰おうとすると目立たなきゃならない。したがってどんどん過激になっていく事がある、というわけです。
炎上のメカニズム
炎上のメカニズムについては、藤井聡さんと佐藤健志さんの共著、対論 「炎上」日本のメカニズム (文春新書)が非常に詳しいです。
炎上という現象を端的に言いますと、以下のような箇条書きになります。
- 普段から空虚、空っぽな虚しい自分が存在する
- ゆえに、誰かがやらかしたことに対して、正義側として叩くことに快感を感じる
- 匿名かつ多数なので、気が大きくなり連帯感のようなものも感じられる
- しかし炎上は一時的なムーブなので、終わると再び1.に戻る
- 炎上でなに1つ満たされないので、次の炎上ネタを探す
実際に炎上という”祭り”に加わるのは、ネットの中の1%程度という研究結果もあります。ネット炎上、少人数の連投で発生 「許せない」が動機 :日本経済新聞によれば、「許せない」が動機なのだと書かれておりますけど、真に受けるべきではないでしょう。
ネット上では「自分の主張こそが正義だ」という思いが強い人ほど、書き込み回数が増えるという研究結果もあります。つまり「許せない」の裏には「自分が正義で、相手は叩かれて仕方のない悪だ」という感情と認識が、確実に存在するのです。
なぜ自分に関係のないラーメン屋店主を、悪と断じて叩くことが出来るのか? 精神構造の幼稚さは指摘するまでもないとして、やはり普段の自分に満たされないという要素が非常に強いのでしょう。だからこそ”勧善懲悪劇”をネット上に求め、それに参加することで”正義側”として満たされない感情を満たすわけです。
しかし一時的なムーブ、つまりブームの炎上でなにかを得られるわけではありませんので、根本的な”自分自身の空虚感”は、炎上が終わればまたもや自分自身を襲うのです。こうして、延々と”くだらないこと”で炎上は発生する、というのが対論 「炎上」日本のメカニズム (文春新書) で論じられていることです。
ちなみに冒頭の炎上、たむけんさんはラーメン屋店主をかばったとのこと。たむけんさん、ええ人ですやん!
ネット上の目立ちたがり屋
余談ですが炎上という現象には、例えば「東北大震災があったから、義援金を送る」みたいな現象も含まれますので、ネガティブなものが多いものの、ポジティブなものも存在します。過去にブームになったフリーチベットなども、そうでしょう?
さて、ネット上では目立ちたがり屋さんがたくさんいます。この場合の目立ちたがり屋の定義は、「内容はないけど、目立ちたがって過激化した連中」とします。
一部のインフルエンサーなどの方たちは、見せ方、文章の書き方、その分野における内容などがしっかりある人達ですから、目立ちたがり屋とは定義しません。
SNSや5ちゃんねるなどは、ある意味で自己の承認欲求を満たすシステムになっておりまして、だからこそユーザーが大勢存在するわけです。そしてその中で交流をしたり、議論したりするわけですが、ユーザーがたくさんいるので当然ながら、普通に振る舞っていても埋もれるだけです。
承認欲求を刺激しつつ、通常のユーザーは埋もれていくだけという構造、これが目立ちたがり屋を生み出します。――まあ、その人自身の元々の性格もあるでしょうけれども。こういった目立ちたがり屋は、普段も満たされていない可能性が高く、したがって炎上を生み出したり、参加したりする率が高いのではないか? と私は考えております。
それが炎上に参加する1%という数字なのでは? と思うわけです。
炎上商法は避けましょう!
炎上商法というものがありますが、私は百害あって一利なしだと思います。確かに……名前は炎上すれば覚えてもらえるでしょう。ネームバリュー自体は大きくなります。しかし――悪い方にネームバリューが大きくなって、何の意味があるのでしょう?
私は基本的に、コメント欄とかは割と苦手です。特に議論が(笑)コメント欄なんて、感想と雑談のためにあるんです! とすら言いたいくらいに(笑)
なんでこんなに苦手になったのか? ですが、結構しんどいんですよ。議論に参加して、相手の論理を打ち崩すための論理を、悔しくて1日中考えてとかいう作業がしんどいのです。そんなことをしている暇があれば、記事の1本でも書いたほうが有益だと考えてます。
別に炎上したわけでもないのにこれですから、基本的に炎上するようなことになると、もっと精神的につらいのだと思います。あとですね……冒頭のラーメン屋さんの記事で、朝の3時や4時まで電話がひっきりなしにかかってくるそうです。
かけてる人らって、アホでしょ? 普通に営業妨害やんけと。NTT系で電話回線引いてるのでしたら、144で迷惑電話撃退サービスができまっせ! 店主! 余談ですが、この144は非常に優秀で、非通知から公衆電話から全部対応しております。私も非常に重宝しているのです。
「非通知全般を拒否」ではなく、「非通知のこの人からのを拒否」できるのが144なんですね。公衆電話も一緒です。見てないとは思いますが……もしこのラーメン屋の店主をご存知の方がいらっしゃったら、教えてあげてくださいね。
なんにしても、炎上商法というのは非常に精神的には苦痛です。相当強いメンタルがない限り、手を出すべきではないでしょう、というのが結論です。
炎上とかは、大衆化への第一歩でしょうねえ・・。
例えば、政治家だとこれが得意なのが、あの人、とか・・w
ただ、政治運動って一種の炎上商法な感じもしますし・・(フランス革命なんかも、炎上が全てを燃やし尽くした一例、でしょうか・・?)
正しい炎上なんてものは、あるんでしょうかね・・?
それとも、それはたまたまうまくいっただけの炎上なのでしょうか・・?
カエサルも、大衆は見たいものしか見ないと言いましたし・・。
そういう意味では、初代皇帝アウグストゥスなんかは、本当に大衆に見たいものしか見せなかったと、そこらへんがほんとにうまかったと、塩野七海さんなんかは言っておられましたし・・。(そうやって、その30年あまりの在位年数のあいだに、少しずつ当時のローマ人の嫌いだった王政(帝政)というシステムをなじませていったそうですし・・)
うまくいった炎上というものもあるにはあったのでしょうけど(人の見方次第によれば、フランス革命もうまくいった炎上?)、しかし、フランス革命は、炎上によってうまれた経路によってどんどん過激になり、最後は粛清に次ぐ粛清で、ナポレオンによる皇帝誕生と言う形でいったん幕を落としました。
みずからが、炎上自身にその身を任せるようになれば・・、どんな熱意や情熱を持った政治家も、大衆になるのでしょうかね・・?
そして大衆になれば、その瞬間に、自身も経路のしもべとなる、感じ・・・?
どうなんですかね・・・?
>正しい炎上なんてものは、あるんでしょうかね・・?
例えば何かの不正問題や嘘が政権に出てきて、内閣が倒されるのは”ポジティブな炎上”と解釈しうるのではないでしょうか?
――まあ、ネガティブな炎上のほうが圧倒的に多いのは、そのとおりです(汗)
炎上という現象自体は人々の不満や空虚、そういったものが燃料ですから、身を任せれば知性は失われるのでしょうね。
>炎上という現象自体は人々の不満や空虚、
怒りにその身をまかせれば、やはり、正しい判断と言うのはできないものなのだと痛感します。
>そういったものが燃料ですから、身を任せれば知性は失われるのでしょうね。
やはり、ネガティブな炎上は、体に悪いものなのだと痛感します。
社会のため、みんなのためという感情よりも、おそらく、自分自身の怒りと言うものが優先されたその瞬間・・、ポジティブな炎上ではなく、ネガティブな炎上になるのでしょう・・・。
怒り、というよりかは・・、やはり、社会のため、みんなのため、誰かのため・・、衆生済度のための、炎上でなければ・・、つまりは、ポジティブな炎上でなければ・・、正しい判断と言うのは、できなくなってしまうのでしょう。
これはやはり、間違いないもののようです。
それを確信できただけでも・・、なかなか興味深く、示唆にとむことでした。
怒りにもいくつか種類があるように思えます。空疎な自身をごまかすためとか、純粋な道徳的観念から怒る場合だとかですね。
前者が炎上につながりやすいのは、事実だろうと思います。実際――炎上の殆どがワイドショー的なものばかりですし(笑)
どうも、まだ私自身の表現が追いつかないようで、上手く言えないのですが(汗)