安倍政権は消費税増税を延期するのか?を検討する-消費税増税は延期ではなく凍結するべき

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安倍政権の消費税増税延期はあり得るか?

 安倍総理は消費税10%への増税を2回延期してきましたが、では3度めの延期はあるのかどうか?を本日は検討してみたいと思います。それとともに、消費税という税制の欠陥やデメリット、経済に対する影響なども書いていきたいと思います。

2019年の世界経済の見通しは本当に暗いのか?

 さて、安倍総理は「リーマン・ショック級の事態がない限り、消費税は増税する」と明言してきました。ですのでまずは世界経済に対する見通しを書いておかねばならないでしょう。有識者の見立てでは2019年の世界経済は「痛みを感じる年になる」というのが大勢かと思います。米中の貿易衝突による不透明な先行きや、国際情勢における緊張、そしてトランプ大統領の読めなさ、と言ったところが理由でありましょう。

 しかし一方でトランプ政権は財政出動を2019年の予算に含めているようでして、以下の記事からご覧いただけます。トランプ政権が予算教書を提出 財政赤字を解消するカギは「民間の力」(ザ・ライブラリーウェブ)から一部引用します。

「公共インフラに1.5~1.7兆ドル(163~184兆円)の投資をする。われわれは、官民合わせて多くのことをする。許認可にかかる期間を短くし、10年かかるところを2年、もしくは1年でできるようにする。これは、地方の公共事業にとって5000億ドルの経済効果を生み、数え切れないほど多くの仕事を与えるだろう。国や地方政府に力が戻ってくる。ワシントンは、もはや発展の障害物ではなく、あなた方のパートナーだ!」


トランプ政権が予算教書を提出 財政赤字を解消するカギは「民間の力」(ザ・ライブラリーウェブ)

 また中国もアメリカとの貿易戦争によって輸出の伸びが困難になると見るや、財政出動にかじを切っているようです。中国、積極財政へ方針転換 下半期、景気優先でインフラ投資拡大(サンケイビズ)によれば2018年に60兆円弱のインフラ投資に踏み切ったとのこと。

 このように世界経済を考えていくと、上述したような「2019年の世界経済は不安定で痛みを感じるものとなる」という有識者の大勢の見方にやや疑問符が付きませんでしょうか?むしろアメリカや中国が財政出動にかじを切ったことで、たとえ貿易戦争をしていたとしても輸出入が増える可能性が出てきます。むしろ世界経済は2019年に好転するかもしれないとすら思えます。

安倍政権は消費税増税をする可能性が高い

 以上のように2019年の世界経済の見通しを述べてきましたけれども、安倍内閣が消費税増税を避けるというのは「リーマン・ショック級が来そうだ」という建前が必要となります。しかし2019年にはたしてリーマン・ショック級の経済混乱が来る可能性が高いのか?と問われると、私は否としか答えられません。むしろ2017年までに比べて、2019年のほうが世界経済は成長が加速する可能性すらあり得ると思っております。

 思い出してほしいのですが、2008年のリーマン・ショックが到来した時にアメリカ、中国は財政出動をして景気の下支えを図り、その混乱を低減しました。現在はリーマン・ショックでもないのに財政出動を「貿易戦争だから」という体裁で進めております。

 であるとすると、2019年に経済混乱は起きない可能性が高く、安倍政権は消費税増税に舵を切るしかないのではないか?少なくとも、安倍内閣はそのように言い続けてきたのですから、増税はされるであろうというのが私の見立てです。

消費税増税で一人負けする日本

 としますと、2019年に消費税増税がされた場合、日本は世界で一人負けという状態に陥るかもしれません。アメリカや中国が財政出動をして経済に対して好影響を及ぼしている中で、「財政再建」というフィクションから消費税増税という緊縮財政を選択し、一人負けするというわけです。

消費税の欠陥と経済影響

 消費税という税制について述べておきたいと思います。消費税を語る際によく聞かれるのが以下のような欠陥です。

  1. 逆累進性が高く、低所得層ほどきつい税制である
  2. スタビライザー機能(調整機能)がなく、常にデフレ圧力を発生させる
  3. 増税の効果がほぼ恒久的であり、将来に渡って影響を及ぼす

 1つずつ論じていきましょう。年収300万円の人と、年収1000万円の人を比べてみますと、確かに年収のすべてを消費するのならば税率もかわりません。しかし消費税とは「消費するものにかかる税金」と解釈して結構ですから、1000万円の年収の人が500万円しか消費しなかった場合にはこの500万円に消費税がかかります。一方で年収300万円の人はその殆どを消費することでしょう。

 とすると年収1000万円の人は50万円の消費税を払うことになりますが、所得に対して5%ということになります。年収300万円の人は所得に対して限りなく10%に近い消費税を支払うことになり、これが「消費税は逆累進性が高くて低所得層ほどきつい税制」といわれる所以です。

 次にスタビライザー機能とは税による景気の調整機能です。例えば法人税は赤字であれば「1円も支払わなくて良い」というのが過去の税制でした。(現在は外形標準課税などがあるのでしたっけ?)

 上記は景気が悪い→赤字→税金を払わなくて良い(税が軽減される)という機能でして、逆にいえば景気が良い→黒字→税金を支払う(税が重くなる)というわけです。つまり税制そのものが景気の調整弁として機能するわけです。しかし消費税は常に一定の税率がかかるわけですから、これは常にデフレ圧力を発生させるということです。

 さらに悪辣なことに、消費税という税制は一度税率が上げられると「税率を下げる」という議論が殆ど行われません。これはほぼ恒久的に経済に対してデフレ圧力を発生させるというわけです。一時的な財政出動ではごまかせない影響なのです。

 中国とアメリカが好調で、日本が一人負けという事態が2019年に迫っているわけです。

消費税のべき論は「消費税そのものをやめるべき」

 これまで述べてきました通り、世界経済は中国とアメリカの財政出動によって好転する可能性が高いと私には思えます。その中で日本は「約束だから」と消費税を10%に増税した日には、日本の一人負けになる可能性が高いとも述べました。

 また消費税の悪影響というのがどのようなものか?についても述べてきました。これらを勘案すると現在必要なのは消費税増税の議論ではなく、消費税をやめる、消費税撤廃の議論の方なのであります。不思議なことに、日本では消費税撤廃の議論は殆ど聞かれません。

 この原因は非常に明らかで、プライマリーバランスや財政健全化というフィクション、空言が「事実としてまかり通っている」からにほかなりません。「財政健全化をしなければならない全体主義」がはびこっていると解釈して良いと思います。

 大変残念なことですが、全体主義というのは内部から自浄することがほとんど不可能なのです。20年以上にも及ぶ経路依存性と、自己強化メカニズムによって経路を変えるのは非常に困難であると言わざるを得ないでしょう。

 結局の所・・・この財政健全化全体主義、緊縮財政全体主義に対して一人ひとりが細くとも声を上げ続けるしかないのです。

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ホワホ

よくよく考えると、一人負けになるっていうよりも
30年一人負け続けてたのが継続ですよね…

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