なぜ金融緩和で景気は良くならないのか-リフレ派の謎理論の欠点を指摘し、解説する

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リフレ派の主張だった金融緩和という魔法

 2012年末頃でありましたでしょうか。安倍内閣が誕生し三本の矢(金融緩和・財政出動・成長戦略)が提唱されたときには私も大いに喜んだものです。もっともそれはぬか喜びに終わったわけですが。財政出動がまともにされたのは2013年だけであり、規模も10兆円程度だったかと記憶しております。その後は延々と緊縮財政、そして2014年の消費税増税、規制緩和、構造改革の嵐でありまして、それはさらに2018年の先日の国会で入管法規制緩和、水道民営化、漁業法改正と加速しているように思えます。

 もちろん、2019年に予定されている消費税増税も経済の悪化への影響を与えるでしょう。

 なぜ2013年だけで財政出動は封印されたのか?これにはリフレ派の存在が大きく関わっているように思えます。なぜならリフレ派は当初「金融緩和さえ行えば、財政出動は必要ない」という主張であり、それは2014年以降の安倍政権の基本的な指針となりました。

 彼らリフレ派の主張とは端的にいえばどのようなものであったのか?を復習しておきましょう。

リフレ派の主張
 日銀が国債を民間から引き受けると、日銀の当座預金(民間銀行が使用する)に貨幣が供給される。そしてそれらの量が多くなれば、民間銀行は安心して民間企業等への貸付ができるので、市場に通貨が供給されるはずであるというものでした。市場に通貨が供給されるとは、例えば投資などが活発になるはずだ、だから経済成長するのだという主張です。

 上記の何がおかしいのか?おわかりでしょうか?通貨を当座預金に供給さえすれば「使うはずだ」という発想がそもそもおかしいのです。これは銀行が又貸しである→だから通貨を供給すれば民間企業に貸すはずだ、という発想です。

 しかし実際には銀行の貨幣の創造は「民間の(投資含む)需要」によってしか生まれません。借り手がいなければ、貸し手は何もできないのはごくごく当たり前の話でしょう。いくら当座預金に通貨が積み上がろうが「何の関係もなかった」のです。

 上記の関係をもう少し簡単に言えば、何かを作って商売をしているとしても、その商品を欲しがる人がいなければ商品は在庫として山積みになるだけです。いくら生産しても需要されなければ供給できないのです。

 供給とは「需要によって成り立つ」とすら言えるではありませんか(!!)(現代貨幣理論では貨幣は需要されることで創造されると論じますが、リフレ派は「貨幣を供給したら需要するはずだ」と考えたのです。商品貨幣論的価値観とはまさにサプライサイド的価値観と「同じもの」であったのですね)

 需要がないのに供給し続けたらどうなるか?値崩れが起きる?通貨でしたらインフレになる?いえ、その前に「需要されないので在庫としてブタ積みになる」が正解です。実際に日本のGDPデフレーターは低迷したままですし、デフレ一歩手前を低空飛行というのが実態です。

 では需要を創出するにはどうしたら良いのか?至極簡単な話で、政府が支出を増やして需要すればよいのです。「こんな道路がほしい!」「この研究分野を伸ばしてほしい!」「こんな港湾がほしい!」と政府が需要したら良いのです。そうして民間に仕事を発注すれば、民間にしても様々な設備投資等が必要になってくることでしょうし、またたくさんの需要があれば労働者も他の企業と競争して雇い入れなければならない。

 そのためには様々な投資が必要になってきてはじめて、通貨が需要されるのです。こうして通貨が市場に創造されるわけですね。

 リフレ派は「供給してやったら使う(はずだ!)」と適当なことを言って政権を金融緩和一色に染め上げました。彼らリフレ派の罪の重さは計り知れないほどに重いと断じるべきでしょう。もっとも・・・リフレ派の言を採用したノータリンな総理と政権と政治家たちの罪も同様です。

なぜリフレ派の主張が政権に受け入れられたのか?

 じつはリフレ派の主張というのは、20年間延々と緊縮財政を続けてきた日本の政治にとっては非常に都合の良いものでした。なにせ財政出動が必要ない(!?)のですから。

 つまりですね・・・日本の政治というのは「理論的に間違っていようが、常識的に考えておかしかろうが、認知不協和に陥ってようが、自分たちに都合の良いものを選択する」という傾向が非常に強いのではないか?という証左がこの6年間で見えてきたように思います。

 なぜ財政出動がそれほど都合が悪いのか?平和主義は貧困への道(佐藤健志さん著)が詳しいのですが、財政法四条という法律があります。これは非常に端的にいえば「公債発行や借り入れはむやみにしてはならない」ということを定めています。公共事業で使う場合でも、絶対に国会の議決が必要であるとも定めています。要するにこれ、政府は公債発行も借り入れも基本的にはしちゃいけません、と定める法律であるのです。

 なぜか?以下、 平和主義は貧困への道(佐藤健志さん著) から引用します。財政法四条の起案者となった平井平治の述べた部分です。

 戦争と公債がいかに密接不離(=密接不可分)の関係にあるかは、各国の歴史をひもとくまでもなく、わが国の歴史を見ても公債なくして戦争の計画遂行の不可能であったことを考察すれば明らかである、・・・公債のないところに戦争はないと断言しうるのである。したがって、本条(財政法第四条)はまた、憲法の戦争放棄の規定を裏書き保証せんとするものとも言いうる。

平和主義は貧困への道(佐藤健志さん著)

 つまり上述したことは戦後レジームからの脱却を目指すのならば財政出動をするという話になり、戦後レジームの強化を目指すのならば緊縮財政を延々と続けるという話になるのです。さて、安倍政権は表向きと言動は「戦後レジームからの脱却!」を謳っておりますけれども、延々と緊縮財政を続け、リフレ派を肯定して金融緩和のみをするというこの姿勢は、まさに戦後レジームそのものと言ってよいでしょう。(※失われた20年といわれるその前から、じつは日本は「やがてにっちもさっちもいかなくなる」ことが確約されていた、とすらいえます。)

 こうして対米従属型の安倍政権もあえなく、リフレ派を迎え入れて戦後レジームを守ることを選んだというわけ。上記の事実から少なくとも安倍政権は全く愛国的でもないし、国家の独立という観点からは保守でも何でもないと言うことが可能でしょう。ちなみに・・・リフレ派に対米従属型(親米)言論人が多いのも、こうなってくると偶然ではなく必然であったと言わざるを得ません。

 なぜ安倍政権がほとんど意味のない金融緩和を続けているのか?そしてリフレ派の意味不明な主張がなぜ政権に受け入れられたのか?を解説してみました。

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ホワホ

忙しいなら代わりにキャリステクスでも導入したらいかがでしょうか?
必須とされるプルアップに用いる身近なぶら下がれる場所が案外少なかったりしますが
普段はジムならば補助的な用途としては十分かと

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